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('A`)はただの童貞のようです 10話

――鏡に映るのは、水に濡れた己の顔。
額から両眼を経て、頬の半ばまでを縦に走る傷跡。
そして、口の両端から耳に掛けての、未だ癒着せず、体液の滲み出る裂け目。

(   )「……」

それを指でなぞれば、未だ塞がらぬ傷を縫い止める糸が擦れ、微かに音を立て、

――アタックーアタックーナーンバー ゼロゥワン!

過去を思うより先に、仕事用の携帯電話が着信を知らせる。
それを機に思考を切り替え、仕事着へと着替える。

( ∵)「その場で処分すれば手間も掛からんだろうに……」

玄関を出る時、意せず漏れたその言葉は、袋の内のせいか、酷く篭って聞こえた。

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('A`)はただの童貞のようです 9話

――人は笑う。心許せる者と共に在る時に。
深い意図など無く、思うより先に、自然と、笑う。

『おっおっ、ツンデレ乙ですおwww』

――人は、嘲笑う。己の歪んだ衝動を言葉にしながら。
その笑みが誰に向けられたものなのか、誰も、知る由は無い。

『……ただの人間じゃ、相手として物足りねえ。それだけだ』

――人は、わらう。
人であるが故に――


第九話『Smile』

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('A`)はただの童貞のようです 8話

――紅は、その色に喩えられ、その色こそが相応しい、身を焦がさんばかりの激情を抱く。
蒼は、視線重ねし者の心を、その色に染めんばかりの眼にて見つめ、ただ、微笑む。

――その存在は対なる存在であった。
等しき存在で在るが故に、その間には代え難き信頼があった。

――だが、それは容易く、いとも簡単に崩れた。
対の片割れである、蒼と称される存在の行為によって。

――定め、だったのかも知れない。
紅と蒼は、初めから相容れぬが幸福だったのかも知れない。

――だが、彼等は共にいた時、確かに笑っていた。
心の底から――その瞬間を、幸福だと感じていた。


第八話『相反する魂』



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('A`)はただの童貞のようです 7話


――天敵。
其れは最悪の相性を持つ存在。

――対極。
其れは自己と正反対の属性を持つ存在。

――童貞。
其れは穢れ無き故に強さを誇る存在。

――××。
其れは穢れに身を浸し、支配の力とする存在。



第七話「毒華」

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('A`)はただの童貞のようです 6話

――戦う者がいる。

企業の兵として、他社と戦う者がいる。

国家の狗として、社会の悪と戦う者がいる。

学術の僕として、方程式と戦う者がいる。

競技者として、己が限界と戦う者がいる。

脛齧りとして、現実と戦う者がいる。

そして、童貞として、素人童貞と戦う者がいる。

――皆、戦士と呼んでも差し障りの無い存在だろう。
戦うと云う事は、とても過酷なものだ。

――だからこそ、必要なのだ。
心の底から安らげる、休息と呼べる時間が。



第六話『Rest』



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ひちょりまちょめ

Author:ひちょりまちょめ
コテ酉無しです。
でも一話の最後見たらすぐ分かる仕様です。

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