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とある○○の○○○○その5

――嗚呼、と絶望交じりの吐息を漏らしたのはどちらであっただろうか。
頬を撫でる、髪を梳く、と喩えるには余りに強き風がその溜息を彼方へと飛ばす。
上条当麻、そして青髪ピアス。そのどちらもが、圧倒されていた。

既に見ていた筈なのに。
容易く想像出来た筈なのに。

それでも尚、彼らの眼前にあるそれは、絶望を覚えさせるに充分過ぎた。

彼らの目の前には、窓の無いビルを囲む余りにも巨大な竜巻。
もし仮にレベル5の空力使いの能力者がいたとして、これほどのサイズと風力を作り出す事ができるだろうか。

青ピ「なぁ、上やん。これってあーくんがやっとるんかなぁ……」

上条「……だろうな」

声に滲む感情は畏怖。

そして――

青ピ「間違いなく、恥ずかしい事やっとるんやろうなぁ……それ以外でここまでやる必要性なんて考えられへんしなあ」

上条「つまり、家で出来ないからってビルの屋上でオナニーやろうとしてんだな……」

青ピ「それしか考えられへんよなぁ……あかんなぁ、こんなんあーくんにはまだ早すぎるで!」

上条「こんな……みんなに迷惑を掛けるようなオナニーは、オナニスト失格としか言い様がねえ!」

――理解。そして同情。
それが勘違いであろうと無かろうと関係ない。
彼らは若いのだ。暴走する年頃なのだ。

青ピ「……ボクらが、止めるんや」

上条「……ああ!」

その青さは、若さは、時として強さとなりうる。
不条理を、絶望差を打破し、磐石を覆す力になり得る。

――その証拠と云うべきか。
上条当麻は力強く地面を踏みしめ、滾りを呼気に乗せ、自身の切り札である右拳を硬く握り締める。
その様は、つい先ほどまで半死人であったとは、未だ尻に槍の石突きが刺さっているとは思えぬほどの力の漲りを感じさせる。

青髪ピアスもまた同様。
その顔から、笑みは消えていた。
常日頃身に纏っていた緩い雰囲気は裏返り、獣の如き、危うさすらをも含むものへと変化する。

上条「コレが能力でやってるってんなら――」

青ピ「――――ここは、ボクに任せてもらうで」

上条「ッ!?」

五体満足と満身創痍の差か、上条が駆け出した時既に青髪ピアスは荒れ狂う竜巻の直前。
勢いのまま、躊躇無く突き出されるは青髪ピアスの両掌。

青ピ「ボクの本気、見せたるでぇぇぇぇっ!」

叫びと共に両掌が竜巻に触れる。
共に巻き上がるは砂塵。
響くは金切り音。

上条「バッ……青ピ!大丈夫か!?」

上条当麻の脳裏に浮かぶは、両腕を言葉道理破砕した青髪ピアスの姿。
その未来は、彼の知る青髪ピアスであったなら現実となったであろう。

しかし、上条当麻は青髪ピアスという人間の本性を知らない。
彼の能力を、『強制固定(ビガーパンツ)』ちんこの皮を固定するだけのものと侮っていた。

が――その侮りは、一瞬にして払拭される事となる。

青ピ「――どや、上やん」

上条「あ――」

上条当麻の目に、その光景はどう映っただろうか。
我が目を疑うように何度も瞬きし、その目を擦り、それでも我が目が信じられぬのか、右手を両の目に触れさせる。

その両目が映すのは、時の流れから取り残された竜巻。
不定であり、流動であり、現象であり、奔流であったそれは、今この時、完全に固定されていた。

青ピ「ボクかて、捨てたモンやあらへんやろ?」

上条「こ、これ、お前がやったのか? お前、レベル1だったはずじゃ……?」

上条当麻の震える声に、青髪ピアスは小さく頭を振る。
言葉で否と答えるには、騙していた時間が長過ぎた。
容易く、嘘を吐いていたと告げるには、余りに親しくなりすぎたのだ。

青ピ「……後で本当の事言うから、今は堪忍な」

そう呟く青髪ピアスの身体は、無残な状態だった。
竜巻に触れた衝撃による数多の傷が肌に刻まれていた。
衣服はまるで爆ぜたかのように、欠片一枚すら残っていない。

上条「……分かった」

上条当麻は頷く他なかった。追求など出来よう筈がない。
全裸の親友にその様に乞われて尚追求など出来る筈も無かった。

青ピ「さあて、行こか」

上条「ああ……」

青髪ピアスの言葉に頷きを返したその時、

上条「あ?」

青ピ「どないしたん?」

上条当麻は、鼓動を感じた。
胸ではなく、尻に。

上条「なにが……いや、俺はコレを……?」

青ピ「ホラホラ行くで」

上条「あ、ああ……」





青ピ「上やんのアホォォォォ!絶対触ったらアカンゆうたやないかぁぁぁぁっ!」

上条「無理言うなぁぁぁっ!不幸だぁぁぁぁぁっ!」



――風の音が止んだ。

最初は、それを、錯覚か。と疑った。
そして、自身の感覚が世界とズレ始めたのか、と疑った。
然程の時を経ずして、一方通行は否。と断じた。

それは錯覚でも無く違和でも無く、純然たる事実。
彼の眼前で、確かに竜巻は時の流れから切り離されていた。


理解の後に生まれたのは、新たな疑問。
それを誰が行う事が出来ようかという疑問。

――アレイスター。
否。アレなら、今この状況がアレにとって不都合な状況ならば、もっと直接的な手段を取るだろう。
回りくどい事をするならば、一方通行に近しき者――例えば黄泉川愛穂などを手に掛け、それを見せつけるであろう。

それに類するエイワスもまた同様。

ならば――魔術師。
それもまた否。一方通行は、学園都市と魔術師という存在の関係を漠然ながら理解している。
学園都市のレベル5筆頭である自身が、学園都市にある意味反旗を翻しているこの状況は、魔術師という存在にとって阻害する理由は無い。

それなら――

一方通行「……カッ」

―― 一方通行は、緩やかに、睾丸を震わす。
この学園都市に於いて、アレイスターを除き唯一、十全を知る事が出来ず、尚、この現象を起こしうる可能性を持つ存在に思い至ったのだ。

ナンバー6。

レベル5の中で唯一、名も能力名も明記されぬ存在。
一方通行ですら、その片鱗に触れる事の出来ぬ存在。

一方通行「なァンで動いてンのか知らねェが……敵対するってンなら、近代芸術の列に加えてやンよ」



――――


「……なんでしょうかアレは。と……」


何気なく空を見上げた誰かが、ぼそりと呟いた。
その声は、誰にも届かない。呟きを発した者自身の口内でのみ、響いた。

その者は、生まれて初めて我が目を疑った。
生まれて初めて、疑うと云う思考を持った。
歳若き故に少なき記憶の中から、該当するものは無いかと全力で思い起こした。

「本当に、なんあのでしょうか。と……」

彼女の記憶の中に該当するものは確かにあった。
しかし、記憶の中のそれと、その眼が映したものが結びつく事は無い。

形状は同じであれど、大きさが、違いすぎた。
そして、その者が見たそれには翼が生えていた。

空を舞うは、巨大なパンツ。
奇しくもそれは、その者が履いているものと同じ柄であった。

呆、とした表情のまま、その者は竜巻の方へと向かうそれを眺め続けた後、

「……これが、白昼夢というものですか。と、ミサカは自身が観測した現象についてそう結論付ける事にしました」

その者――――彼女の名前は御坂10032号。
彼女はこの日、生まれて初めて折り合いを付けるという事を知った。
一つ大人になったのだ。


――――


――黄泉川愛穂という人間にとって、この行為は正しいものであっただろうか。
彼女は、自身にそう問い掛ける。答えなど帰ってくる筈もなく、そもそも答えなど在るかどうかすら怪しい疑問を。

それでも、彼女の足は止まらない。我を忘れたかの様に、走り続ける。
思考の片隅を過ぎるのは、任務放棄、独断専行等の逸脱行為による始末書の枚数。

一瞬、黄泉川愛穂の表情が歪む。しかし、足を止めるには至らない。
彼女の頬には少しばかりの赤らみ。その心臓は、常よりも幾許か高鳴り続ける。

黄泉川「クッソ、コイツは…………洒落になんないじゃんよ」

――黄泉川愛穂は不幸であった。
今この時、この瞬間に於いては上条当麻並に不幸であったかもしれない。

完全に、忘れていた筈だった。
そもそも記憶していなかった筈だった。

白磁のような肌に触れた事など。
薄く、華奢な胸を抱きしめた事など。
吐息が交わるほどに唇を近づけた事など、記憶していなかった筈だった。

だが、その記憶は今この時、完璧なまでに蘇った。
とある本屋の店長が魔術的な云々かんぬんで介入をおこなったが、それは、ほんの僅かな切欠に過ぎない。
脳が忘れていても、皮膚が、筋肉が、神経が、そして――――心が覚えていたのだ。

黄泉川「あぁーもうっ!わっけわかんねえじゃんよぉぉぉぉぉっ!」

彼女、黄泉川愛穂は今この時ようやく自覚した。
自身が恋をしていると。しかも、十二支一回りも離れた少年に。




――轟くは破砕の音。
音は、衝撃を伴って拡散される。
押し広げられた大気は密度を増し、視を阻み、像を歪める。

竜巻が静止している間に、如何程の運動エネルギーが蓄積されていたか。
衝撃波に触れたビルにはヒビが入り、防弾ガラス並に耐衝撃性に優れた窓ガラスが一つ残らず砕かれていく。
その勢いは幾ら拡がろうと、微塵の陰りも見られない。

――だが。
窓の無いビルを中心とした、半径1キロの地点を越えようとしたその時。

衝撃波は、不意に消失した。
スカートの端を煽る程度の風すら残さずに。

それは、偶然でなければ奇跡でもない。
言うなれば必然。当然の結果。

魔術を学び、地脈についての知識を幾らか学んだ者であれば、一種の結界によって衝撃波が止められた事を理解出来たであろう。
加えて魔力の流れに敏感であったなら、衝撃波の消失した瞬間に力が消失したのではなく、“どこかに送られた”という事実に怖気を覚えただろう。

――歪めた地脈を衝撃を送るパイプとし、一点に集めるなどという行為が正気の沙汰である訳がない。
一点に集めるという事は、その一点に全ての力が集約するという事。
集約した衝撃を処理し切れなければ、力は歪められた地脈へと逆流し――歪められているが故に、地脈は容易く崩壊する。

結果引き起こされるのは、学園都市という存在自体の崩壊。

防ぐ為に必要なものは器。もしくは触媒。
一点に集約された衝撃を受けきるか、それとも置換するか。
出来なければ、この都市は崩壊する。

陣を張った者はそれを十全に理解しておきながら、実行に移した。
全ては、学園都市を、大切な者を守る為に。

土御門「おぉう、コイツは何というか……いや、俺には舞夏がッ……!」

建宮「この建宮斎字……何故に今時カメラの無い携帯を買ってしまったのかと心底後悔しているのよな……」

ステイル スココココココ

月詠「あわわわわわ! そ、そんな目で先生の事ガン見しないでほしいんですー!」

衝撃を受け止めた反動であられもない姿となってしまった月詠小萌をガン見するその姿に、崇高な意思など微塵も感じられる事は無い。

だが、それもまた致し方なし。

土御門元春の頭頂に生えた二本の耳が屹立するのも無理は無いだろう。
建宮斎字が新たなる属性に目覚め、熱き迸りに頬を濡らし、歯を食い縛る事もまた然り。
だが、ステイル=マグヌスは自粛すべきである。流石に若さ故の過ちでは済まない。

月詠小萌は今この時――――“見えそうで見えない”を完璧という言葉ですら賞賛としてまだ足りぬほどに体現していた。
模造品とはいえ、神であるが故に為し得た奇跡を目の当たりにしているのだから。

嗚呼、チラリズムかくも素晴らしきものであったか。


――――


時は僅かに遡る。
詳細に記すならば、竜巻が束縛より放たれて0.734秒後。多分そのくらい。


――しましまパンツは空をとんでいました。
とてもに大きく、あの日でもないのにはねつきだったせいで、パンツと思われなかったパンツは空をとんでいました。

しましまパンツにはなかの人がいました。
なかの人は、ざんねんな人でした。

なかの人はパンツがだいすきで、いつもサドルになりたいとかパンツになりたいとか思ってました。
だから、たまたま見つけたトイレのがれきでほねぐみをつくって、俺が縞パンだ!とさけびながらパンツになりました。

これでがくえんとしの2ばんめなのだから、このまちにはあたまがよくてもアホしかいないということがよくわかります。

なかの人は、なにをしようとしていたのかわすれて、じゆうきままに空をとんでました。

そのちょくご、

かきね「ちょっ、えっ、あぷばっ!」

たつまきがかいほうされたしょうげきをもろにうけたパンツは、バラバラになりました。
まかいとうしのラスボスなんてひじゃないくらいに。
ちから99になったしゅじんこうのバトルハンマーのいちげきでのされるザコてきよりあわれなくらいに、めたくそにされました。

BGM:勇気一つを友にして


――――


――天地が流転し、五感は攪拌され、世界は上条当麻の知るものとは異なる様相を晒す。
身体は高層ビルの屋上を超え、その傍を外人の一物と同程度の大きさのコンクリート片が通り過ぎる。
これは死ぬな。果たしてこれは幾度目の死であろうか。と、上条当麻の脳は至極冷静に、自身の死亡回数をカウントし始める。

彼が不幸を常としているという事は、この状況に置かれているという時点で云うまでもなく。

故に、と言うべきか。
彼、上条当麻は死という物に触れ過ぎていた。馴れすぎていた。
だから、それが最後の死になり得るという事に気付けずにいた。

傍らの青髪ピアスが周囲を固定し、防護幕を作っているその時も、まるで他人事のように、眺めるばかり。
自身がどうすれば助かるかなど微塵も考えもせず。

それ故――

青ピ「――上やん!」

青髪ピアスが叫んだ時既に遅く――

上条「おふぅ!」

肉体、精神共に無防備であった上条当麻の尻より伸びる槍に、コンクリートの塊は、直撃した。

声にならぬ苦痛。
それを以ってようやく実感される死への恐怖。
度を超えた痛みを受けたが故の、瞬間的な自我の消失。

ただの一瞬であったかもしれない。
だが、その一瞬は上条当麻という存在の本能、そして本質が表に出るには十分過ぎる時間であった。

生まれた熱は、過去に一度感じたもの。
覚えた感覚は、自身の内より何かが生まれる痛み。
それは、覚醒というべきか。それとも、進化というべきか――

青ピ「上やん!起きとったら返事……」

――言葉は、爆ぜる音によって遮られた。
青髪ピアスの眼前で、何かが爆ぜた。
そして、うねる様な音と共に、まるで上条当麻を守るかのように――――何かが、顕現した。

顕現した何かは、近辺の上条当麻に危害を生す存在全てを敵と見なしたが如く、瓦礫を打ち払い、破砕し、穿ち抜く。
ただの一瞬で、その空間は砕かれた瓦礫によって砂漠の如く砂塵の舞う状況へと成り変わる。

青髪ピアスは、全てを見た。
上条当麻の尻の辺りが爆ぜる瞬間を。
そこから生まれた何かを。

青ピ「……嘘やん」

その言葉は、彼の本心を吐露したもの。
見たものは、人には存在せぬ――いや、辛うじてそれが存在していた名残を残すのみの筈である部位。
見たものは、雄々しき柱。

――否。それは柱などではない。
大黒柱を思わせるほどに太き尻尾。
それが、上条当麻の尻から生まれていた。

上条「――心配かけちまったな。青ピ、お前の方は大丈夫か?」

青ピ「ぼ、ボクの方は問題あらへんけど、上やんのそれ……」

上条「……コレか。一体なんだろうな」

そう呟く上条当麻の視線は、自身の尻の方へと向かう。
彼の尻に生まれたのは自身の思うがままに動き、岩塊すら容易く打ち砕き、穿ち貫く尻尾。

それは“竜王の顎”と対をなす“竜王の尾”
尻に挿した物の特性を理解し、更には曲解した上で自身の身体の一部として扱う事の出来る特性。
五和の手によって挿された海軍用船上槍は今この時、上条当麻の身体の一部と化したのだ。

上条「夢じゃ、ねえんだな……」

青ピ「夢やったら良かったんやろうけどなぁ……」

上条「ああ…………チクショウ、これから先、下に何履けばいいんだよ……」

青ピ「そんな事より上やん」

上条「……なんだよ」

青ピ「何かボクら落っこちてるんやけど……」

上条「えっ、おあああああああああ!」

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まとめ【とある○○の○○○○】

――嗚呼、と絶望交じりの吐息を漏らしたのはどちらであっただろうか。頬を撫でる、髪を梳く、と喩えるに

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コテ酉無しです。
でも一話の最後見たらすぐ分かる仕様です。

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