スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

( ^ω^)は18歳になったようです その2




第十壱話『秘匿』

(’A`)「今日は親不知についてやっとくか」

師匠は何の前触れも無く、唐突にそう言った。

( ^ω^)「……?」

( ゚∀゚)「歯とエロ本に何の関係が?」

(’A`)「歯じゃなくてだな……字の如く、エロ本を親の知らぬ存在とする方法だ」

( ゚∀゚)「本の隠し場所なら俺はちゃんと考えてますよー」

(;^ω^)「あ」

ボクは全く考えていなかった。
何故、これほど大切な事を忘れていたのだろう。
エロ本を家族に見られる恐怖。
机の上に置かれていた時の絶望。
夕食時に家族から向けられる憐憫の眼差し。
そして……ボクにその視線を向けた父親はきっとこう言うだろう。










「ブーン。お前も、大人になったんだな」










(;゚ω゚)「ノォォォォォォフゥゥゥゥゥゥゥチャァァァァァァァ!」

(;゚∀゚)「うおっ!?」

(;’A`)「ちょっ!?」

想像だけで魂が抜けそうになった。
そんな台詞が親の口から出た日には、間違いなくボクは発狂する。
直後、ボクの世界はそこで終わるだろう。
何という理不尽なリスク。何という理不尽な罰。
まるで、本の存在自体が穢れであると言わんばかりだ。
何故に人この様な物を作り出したのだろう。
こんなにも罪深い存在さえ無ければ……

否……罪深い存在だからこそだろう。
罪深く、淫靡。人の業の権化。
雄生命体としての本能を強く刺激する、ネクロノミコンと並ぶ禁断の書物。
其れこそがエロ本なのだ。
そういう存在だからこそ、人は古来から其れに惹かれ、畏れを抱きながらもそれを求めるのだ。性的な意味で。

(  ω )「これが……真理……」

(;゚∀゚)「お前、どうかしたのか?」

(’A`)「……悟ったか」

( ;ω;)「頭でなく、心で理解しましたお」

(;゚∀゚)「え?え?マジなんなの!?ねえ!」

何か本題から外れてしまった気がするが、ボクは気にしない事にした。



~~~


(;゚∀゚)「あ゙ー、きになるぅー」

( ^ω^)「これは自分で気付かなきゃいけない事だお」

(’A`)「じゃ、それじゃあボチボチやってくか。まず隠し方な」

(;゚∀゚)「うぅー」

(’A`)「言っとくが、ベッドの下、箪笥、引き出し。この三つは見つかる場所TOP3だ」

(;゚∀゚)「ゲェッ!」

(#゚ω゚)「嘘だッ!」

(’A`)「ここもな、悪い訳じゃないんだ。ちゃんと整理整頓と掃除やってればの話だが」

(;^ω^)「今日からちゃんと掃除するお」

(;゚∀゚)「俺も……」

そういえば掃除は母親に任せっ放しでここ数年やっていない。
だが、やらねばならない。見つかって自宅から居場所が消えるのは真っ平御免だ。

(’A`)「一応、お勧めはプラモや靴の空箱。それに、使ってない鞄の中とかか」

(;^ω^)「なっ、そんな手があったなんて……」

(0。゚∀゚)「古いリュックの輝く時代ktkr!」

眼から鱗とはまさにこの事だろう。
空箱は隅に置いておけば問題ないし、鞄もフックに掛けておけば弄られる事もない。
なんという神算鬼謀。恐るべし……いや、さすが師匠と言うところか。
だが、それを実行する前に一つ、大きな問題があった。

(;^ω^)「師匠、両方とも部屋に無いですお……」

(’A`)「……お前、兄弟とかいるか?」

(;^ω^)「いえ、一人っ子ですお」

(’A`)「少年ダディとか部屋に積んでたりするか?」

(;^ω^)「積んでますお」

……この質問は何なのだろうか。
エロ本を隠す事に何の関係があるのか全く分からない。
一体師匠は……

(’A`)「じゃあ、それに背表紙を壁に向けて挟め。他に何冊か同じようにすると最高だ」

何を言ってるんだ、正気かこの人は。
エロ本を外気に晒すだと?
そんな触れようと思えば触れる事のできる場所に放置するだと?
冗談は止してくれ。そんなふざけた事を言わないでくれ。

(#^ω^)「そんな事……」

出来る訳が無い。怒りに任せてそう言おうとした時、

(#゚A゚)「出来るんだよッ!」

ボクは鋭い眼光に射抜かれた。
何たる威圧感。何たるプレッシャー。何たる本気を出したっぽい雰囲気。
思わず失禁してしまいそうだ。
これが、師匠の本気状態なのか……

(#゚A゚)「外見を隠すのは確かに大事だッ!しかしなッ、それより大事な事があるんだッ!」

(;^ω^)「ゴクッ……」

(;゚∀゚)「ペロッ……」

(#゚A゚)「人にそれを意識させない事だッ!分かるか小童共オォォォォォォォォッ!」

(;゚ω゚)「なんとぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

(;゚∀゚)「ヌァンダットゥエー!」

……なんて人だ。
師匠は、人の意識……そんなものまでも操作しろと言っているのだ。
確かに一流のマジシャンは人の意識を誘導し、観客を魅了する。
けど、ただの高校生であるボクにそれが出来るのか?
エロ本、それのみを求めて突き進んできたボクにそれが出来るのか?







出来る、出来るのだ!






師匠は、ボクらにも出来るからこそ言っている。
そう、不可能ではないッ!
マジシャンのように観客全てを騙す必要など何処にも無い。
騙すべきは……そう、カーチャンただ一人ッ!
ならばやれない事はないッ!

(#゚ω゚)「師匠ッ!やりますッ!」

(#゚A゚)「大事なのは自然さだッ!分かるかブタムシ野郎ッ!?」

(#゚ω゚)「Sir!敢えて乱雑に積む訳ですねッ!Sir!」

(#゚A゚)「YES!ベッドの下に雑誌をデコイとして用意するとより一層YES!」


(;゚∀゚)(……俺、兄貴いるからできねえよ)

ジョルジョはそう言いたかった。
だが、ノリノリな二人を見ていると、そんな事は口が裂けても言えなかった。
誰だって、空気読めない奴と思われるのは嫌なのだから。


~~~


そして30分後、

'A`「ツマリ……タンコーボンナラ表紙ダケカエルノモ……有効デアッテ……」

そこには輪郭の消えかけた師匠がいた。
きっと、本気状態で体力を使いすぎたのだろう。
まぁ、そんな風に冷静に考えている僕も

ω「……ナル……ホ……ド」

塩をかけたられたらロストしそうな感じになっていたのだが。

第十壱話『副題:兄弟姉妹や空気読まない友人がいる方にはお勧めできない』糸冬



第十二話『隠蔽』

(’A`)「よっし、次はオナヌしている事を悟られない方法だ」

( ^ω^)「おっおっ」

( ゚∀゚)「うっす」

(’A`)「とりあえず、使用済みティッシュは全てトイレに流すのが一番確実だな」

( ゚∀゚)「え、ゴミ箱に捨てちゃ駄目なんですか?」

( ^ω^)「ジョルジョ、そいつは愚問って奴だお」

甘いッ!甘すぎるぞジョルジョッ!
使用済みティッシュはゴミ。そこに異論を挟むつもりはない。
だがしかしっ、そこが大きな落とし穴なんだよッ!


( ^ω^)「使用済みティッシュは特徴的過ぎるお。分かる人が見たらバレバレだお」

(;゚∀゚)「ッ!」

自分の方法を完全に否定されたジョルジョの顔が青褪めるが、ボクは容赦などしない。
確かにボクらは相棒であり親友。それは間違っていない。
しかし、それは「強敵」と書いて「とも」と呼び合う関係。つまりライバルなのだ。
一人の雄として、エロ本を求める者として、戦う宿命なのだ。

( ^ω^)(ジョルジョは三次専門だった気がするけどまぁいいお)

そして、ボクの口が追い討ちをかけるかの様に言葉を紡ぐ。

( ^ω^)「視覚を念頭に入れる事は基礎にして必須ッ!それを失念するとは笑止千万ッ!」

(  ∀ )「なら……お前はどうしているんだ?」

( ^ω^)「菓子の空箱に入れて、ティッシュが見えたり人の手に触れたりしないようにしてるお」

(  ∀ )「……それだけか?」

( ^ω^)「これが……最善の策だと思うお」


……ふと、違和感を覚えた。
青褪めた顔を俯かせ、ボクの言葉に耳を傾けるジョルジョ。
その身体は小さく震え、今にも崩れ落ちんばかりだ。
それなのに……

何故、面を上げた君の目は細められている?
何故、面を上げた君の唇は吊り上っている?

(  ∀ )「は……ははっ、ハァーッハッハッハッハッ!」

唇の両端を限界まで吊り上げ、狂った様に笑うジョルジョ。
何が可笑しい。何が可笑しくてそこまで笑う。

(#゚ω゚)「何がおかしいんだお!」

(  ∀ )「……ティッシュをそのまま捨てていた事……これは重大なミスだったと認めよう」

そう呟くジョルジョの頬が更に歪み、獣が牙を剥く様な笑みを形作る。
まさか……まだ終わっていないとでも言うのか?

( ゚∀゚ )9m「だがな、お前も重大なミスを犯している事に気付いているのかッ!?」

(;^ω^)「そんな訳あるはずがッ……」

ボクの空箱作戦にミスがあるだと?
そんな筈はない。ボクの作戦は完璧な筈だ。
人間の五感の内、触覚、視覚、聴覚、味覚を遮断し……

(;^ω^)「まさか……」

そうか、この場合に於いて視覚と並ぶくらいに重要な感覚。
そいつだけは、空箱では完全にカバーできない。

(;^ω^)「臭い……かお」

( ゚∀゚)「そう、臭いだ」

(;^ω^)「けど……それはジョルジョも……」

(#゚∀゚)「残念ッ!俺はなぁッ!毎日ゴミ箱をファブってるんだよォォォォッ!」

(;゚ω゚)「フヌォッ!」

何て奴……いや……ここは、それでこそ我がライバルッ!とでも言うべき所か。
だが、まだ終わってはいない。あちらは五感の内一感を封じたに過ぎない。
こちらは五感の内、四感を封じれるのだ。まだ勝機はこちらにある。

(;^ω^)「まだだお!ゴミ箱見られたら終わる時点で欠点でかすぎだお」

(#゚∀゚)「甘え!俺のゴミ箱は蓋付きよッ!」

(;^ω^)「だけどッ!四感封じる時点でこちらの……」

(#゚∀゚)「消防の頃を思い出せッ!自宅の玄関を開けたらカレーの匂いがした時の事をッ!」

(;゚ω゚)「グアァァァァァァァッ!」

ジョルジョが言った状況でのwktk感は、その時嗅覚が他の四感を完全に凌駕していた証拠だ。
ならば、部屋に入った瞬間に烏賊の香りがした場合も同様ではないか。
悪臭に気付いた瞬間……間違いなく、他の四感を凌駕するだろう。
そして、完全に立場が逆転した今になって大事な事を思い出した。
自分の臭いは自分では余り気付けない。だが、他人はそれに気付くのだ。

(  ω )「皮肉な物だお……自分が放った物であるが故に気付かないなんて……」

( ゚∀゚)「どうやら……」

('A`)「あーもう、トイレに捨てたくないなら、ビニール袋に入れろ。そして口を縛れ」

(;^ω^)「……」

(;゚∀゚)「……」


父さん、母さん、ボクらの師匠はビックリするほど空気が読めません。


('A`)「うるせぇ、空気キャラになるよりは空気読めない方がマシなんだよ」

第十二話『副題:…………あれ?』糸冬


第十三話『過去』

('A`)「じゃあ最後に、オナヌをいかにして気付かれないか」

( ^ω^)「ktkr!」

( ゚∀゚)「wktk!」

('A`)「家族の行動パターンを覚えろ。それが全てだ」

( ^ω^)「つまり、安全といえる時間を把握する。という事ですかお?」

('A`)「そうだが……余りに不確定要素の多い家族がいる場合、その限りじゃない」

( ゚∀゚)「無職だったりとかですか?」

('A`)「それもあるが……世の中にはいるんだ。嫌がらせを至上の喜びとする人間が」

(;^ω^)「ま、まぁいますけど……」

(;゚∀゚)「もしかして師匠の身内に……?」

('A`)「ああ……初めての時にな、やられたんだ……」

そして師匠は語り出した。
途切れ途切れに、自分の過去を。



~~~


……アレは、五年と少し前、初めてエロ本を買った日の事だった。

(*’A`)「フヒッ……フヒヒ……」

エロ本を手に入れた俺は、自分でも驚く程に興奮していた。
ついでに勃起もしていた。
まぁ、それも仕方のない事だろう。
パソコンは高級品。携帯でインターネットはパケ料金が高すぎる。
そんな時代だったからな。

(*’A`)「ハッ……ハァハァハァハァハァハァハァハァ……ハァンッ!」

エロ本を手にして最初の射精はパンツの中。
衣擦れの僅かな刺激による発射だった。

(*’A`)「まぁいいや!さーて、ページオープン!」

あの頃の俺は若かった。
あの時の俺は漲り過ぎていた。
あの瞬間の俺はエロ本に夢中になり過ぎていた。



……だから、気付かなかった。



玄関の開く音を。

階段を上る音を。

廊下の軋む音を。

部屋の引き戸が僅かに開かれた事を。

隙間から俺を見つめる誰かの視線を。

(*’A`)「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ!」

絶頂が近い事を感じ、スパートをかける。
自分の息子を労わる気持ちなど微塵もなかった。
只ひたすらに強い快感を追求し、獣の様にその刺激を貪る。
脳が快楽に蕩け、遂には絶頂に達する――


寸前、


――ジャーン!ジャーン!


唐突にドラの音が部屋の中に響き渡った。

(;’A`)「え、ちょ……まさか……」

先程までの興奮が一気に冷め、嫌な予感に背筋が凍った。
こういう事をやる人間は知り合いの中……家族の中に一人しかいない。
そう……




へJ(’∀`)しへ「でwwwwらwwwべっwwwwwwwぴwwwwんwwwwww」




開かれた引き戸から現れたのは、荒ぶる鷹のポーズを取ったカーチャンだった。

(;゚A゚)「うああああああああああああああああああああああ!」

J('-`)し「うるせえチーカマ。丁寧に包装されてるからって調子乗ってんじゃないよ」

(;’A`)「チーカマでいいから!神聖包茎って認めるからでてけよぉぉぉぉぉぉっ!」

J('-`)し「ごめん聞こえない」

死刑宣告にも等しい言葉を告げるカーチャン。そして、その手にはカメラ。
カメラってさ、写真撮る以外に使い道ないよね。
この状況で撮る物なんてさ、一つしかないよね。
それでさ、俺、下半身丸出しなんだよね。

(;’A`)「まさかカーチャン……」

その後の事は思い出したくもないというか思い出せない。
多分、防衛本能って奴が働いたんだろうな。

J('-`)し「かわいいよー、ドクオちゃん。ほら、足もっと開いて笑ってー」

(*//A//)「や、やだぁ……ソコ、汚いよぉ……」


~~~


(’A`)「……とまぁ、こういう事があった訳だ」

(;^ω^)「ウチの親がまともでよかったお……」

(;゚∀゚)「同じく」

(’A`)「オナヌ時は常に周囲の気配を探れ。でなければ死ぬぞ」

(;^ω^)「把握」

(;゚∀゚)「心の底から理解しました」

父さん、母さん、僕らの師匠は空気読めない人です。
だけど修羅場を潜った人でした。
やっぱり凄いです。

第十三話『副題:チーカマじゃなければベビーチーズ』糸冬


第十四話『杞憂』

(’A`)「それじゃ、そろそろ行くか」

( ^ω^)「行くって……何処にですかお?」

(’A`)「本屋だよ本屋。そろそろ実戦形式でやらないとな」

( ゚∀゚)「ついに、あそこへ……」

弟子入りしてから一度も行っていないあの場所。
あそこへと再び向かう日が遂に来たのか。
栄光を夢見、挫折を体験した場所。
そんな場所に再び行くのだ。何らかの感情が沸かない訳が無い。

( ^ω^)「たった一日行ってないだけで長い間行ってない気がするお」

( ゚∀゚)「そこは気にしちゃ駄目な部分だろ。常識的に考えて」

なるほど、ひとつ勉強になったぜブラザー。

(’A`)「……知っときゃ何とかなる事は全部教えた。後は実際にやらんとどうしようもない」

( ^ω^)「実際に……」

( ゚∀゚)「犯らんと……」

エロ本を買う。
言葉にするだけなら何と容易い事か。
だが、実際買うとなると、幾つもの試練を越えなければならない。
ボクらは、乗り越える事が出来るのだろうか。
というかジョルジョ自重しろ。

(((;^ω^)))「やべっ、ちょっと震えてきたお」

(((;゚∀゚)))「俺も」

(’A`)「……恐いか?」

……その言葉は否定できない。
この胸の内に、確かに恐怖は存在する。
だが、この震えは恐怖によるものと何かが違う。
ボクの魂が、否と叫ぶ。
心が。精神が。身体が……全身全霊が燃える様に熱い。
過去に感じた事のある衝動。あの、18歳になった瞬間と同等の衝動。
ボクという存在全てが求めている。
エロ本という存在を心の底から渇望している。
もう、自分という存在を制御出来そうになかった。

(((^ω^=^ω^)))「めっちゃテンション上がってきたおwwwwwww」

(((゚∀゚=゚∀゚)))「おwwwwwwれwwwwwwwもwwwwwww」

(((^ω^=^ω^)))「じゃあいつものやるおwwwwwwww」

(((゚∀゚=゚∀゚)))「おkwwwwwww」



(((^ω^=^ω^)))「STAND UP!」

 
(((゚∀゚=゚∀゚)))「STAND UP!」


((((^ω^=^ω^))))「STAND UP!」

 
((((゚∀゚=゚∀゚))))「STAND UP!」


(((((^ω^=^ω^)))))「STAND UP!」

 
(((((゚∀゚=゚∀゚)))))「STAND UP!」


((((((^ω^=^ω^))))))「STAND UP!」

 
((((((゚∀゚=゚∀゚))))))「STAND UP!」








(((゚ω゚=゚ω゚)))「「STAND UP TO THE!」」(((゚∀゚=゚∀゚)))







(#゚ω゚)「「VICTORY!!!!!!!!!!!」」(゚∀゚#)






そう、ボクらは挫折を味わいながらも立ち上がった。ならば求めるは勝利のみ。
そして、この手でエロ本という勝利のトロフィーを掴むのだ。


(’A`)「思い過ごしだったみてえだけどよ…………返事くらいちゃんとしようぜ」


師匠はちょっと寂しそうだった。

第十四話『副題:Vガンって漫画版しか見た事ないんだよね。でも大好き』糸冬


第十五話『特訓』

本屋に入ってからの訓練は熾烈を極めた。
ただひたすら近づき、エロ本に触れる訓練。
(;^ω^)「そぉい!」

('A`)「力入れすぎ。弁償する羽目になって良いのか?」

そして似たサイズの本を持っての訓練。

(;゚∀゚)「グッ……貴様見ているなっ!」

('A`)「顔を動かすな。眼と空気の流れで人の動きを理解しろ」

壁|;´・ω・`)「……」

時折、店員が不審者を見る目つきをしていたが、ボクらは気にしない事にしていた。

もう、残された時間長くはないのだ。
夏休みが終わってからでも良いかもしれない。
だが、夏休みが終われば師匠もボクらも学校に通わなければならないのだ。
それを考えると今日から明後日までの三日しかチャンスは残されていない。
その間に訓練を終えて、二人揃ってエロ本を買う。
とても難しい事かも知れないが、それを実行しなければならないのだ。

(;゚ω゚)「ワンツー!ワンツー!」

(;゚∀゚)「飛行機ブンブン!飛行機ブンブン!」

(;´゚ω゚`)「ワンモアセッ!」

(#゚A゚)「チンタラやんな!もっと気合入れろ!」

(;゚ω゚)゚∀゚)´゚ω゚`)「「「Sir!YES!Sir!」」」

壁|;´∀`)「店長……いくら客少ない時間帯だからって、はしゃぎすぎモナ」

……そして二時間後。

('A`)「よし、今日は休憩入れた後、公園でダメ出しして終了な」

師匠のその一言で、ようやくボクらは開放された。

( ^ω^)「ふぅ……師匠、ちょっと新刊出てないか見てきてもいいですかお?」

('A`)「おk。早めに来いよ」

( ゚∀゚)「そんじゃ、俺と師匠は公園にいるからな」

( ^ω^)「把握」

(;´・ω・`)「あっ、やばっ、なんか全身痛いッ!ヤバッ!動けないッ!」

壁|;´∀`)「店長……」

(;´・ω・`)「ちょ、そこの少年、助けて……」

( ^ω^)「……」

(;´・ω・`)「……」

(^ω^ )「確か新刊コーナーはあっちだった筈だお」

ボクは何も見ていないし聞いていない。そういう事にした。


第十五話『副題:敢えて触れない優しさもある』糸冬


第十六話『善意』

……人は気分次第で、自分でも訳の分からない事をする。
まぁ、人間なんてそんな物なのかもしれない。そして、僕もそんな人間なのだ。

( ´∀`)「それじゃ十円のおつりモナ。アザッシター」

(*^ω^)「おっおっ」

ボクは少々……いや、相当浮かれていた。
人気の高さ故、発売日に入手する事が困難である「職業・VIPPER。」の新刊。
それが発売日に買えたのだ。浮かれるなという方が無理な話だ。

( ^ω^)「職Vの新刊マジラッキーだったお」

レジを離れ、入り口へと向かう僕の足取りは軽い。
ここは鼻歌の一つでも歌うべきだろうか?ノンノン、どうせなら熱唱するべきだ。
そんな事を考える僕の魂は現実とお花畑を行ったり来たり。
嬉し過ぎてもうお花畑から戻れなく……

「これ、お願いします」

( ^ω^)「ん?」

その声は、多分ボクの後ろに並んでいた人の声だろう。
言葉は店員に向けられたものだろう。どう考えても自分に向けられた物ではない。
なのに、なぜかボクは振り向いた。

( ^ω^)「……んんー?」

( ´∀`)「はい、ありがとうございますモナ」

振り向いた僕の視線の先にあるのは、前髪を下ろした女の子がレジに差し出した一冊の本。
何の本なのかは分からないが、尻に妙な違和感を覚えた。

( ^ω^)(……アッーなるほど把握)

何と言うか、本能が理解した。
男同士が絡む本がある事は噂に聞いている。そういう本なのか。
世の中色んな性癖の人がいるんだな。などと思いつつ、再び入り口に

( ´∀`)「雑誌一冊で六百七十円モナ」

向かおうとした時、

川д川「はい、丁d……あれっ?」

本を買おうとしていた子が固まった。

川;゚д川「あっ、あれっ……なんで……?」

( ´∀`)「どうしましたモナ?」

川;゚д川「丁度ポケットに入れといた筈なのに……十円足りない……」

彼女のうろたえ振りで確定した。あの本は間違いなく18禁。
そうでもなければ、わざわざポケットに丁度の小銭を入れる理由が無い。
というか、後ろめたい本でもなければあそこまでうろたえない。
まぁ、運が無いと言うか抜けていると言うか……

川;д川「あれっ……なんで……なんで……」

( ^ω^)「これ、使っていいお」

川゚д川「え……」

気付いた時には先ほど手渡された硬貨をレジに置いていた。

( ^ω^)「勝手にやった事だから気にしなくていいお」

今のボクにとってこの十円はたかが十円。
しかし、今の彼女にとってこの十円はまさに値千金。
ならば、この十円は彼女の元で輝かせてやるべきだろう。
自分でも良く分からない理論だが、もう十円は置いてしまったのだから仕方ないだろう。
明日は我が身という言葉もあるし、こういう事をするのも悪くないかもしれない。
そう思いながら、ボクは何かを言おうとしていた彼女を尻目に店を出た。

( ´∀`)「六百七十円丁度モナ。アザッシター」

川д川「……」

(;´∀`)「……お客様?」

川* ー川「……かっこいいじゃん」

(*´∀`)「僕のことモナか?」

川д川「それは無い」



~~~


('A`)「おせえよ」

(;^ω^)「サーセンwwwwww」

( ゚∀゚)「なんかあったのか?」

(;^ω^)「ちょっとした人助けと言うか何と言うか……」

……その言葉に二人の表情が変わった。

親友ジョルジョが顕にしたのは

(*゚∀゚)O彡゚「フラグ!フラグ!」

純粋な好奇心。もしくは野次馬根性。
もう一人、師匠であるドクオさんが顕にしたのは

(#'A`)「コイツは臭ェー!フラグの匂いがプンプンするぜェー!」

憎悪と嫉妬の混じった怒りだった。

(;^ω^)「ちょwww何でいきなりフラグになるんだおwwwww」

ボクは確かに人助けをしたと言った。だが、助けた相手が男とも女とも言っていない。
もしかしてアレか、二人はボクがいない間に邪気眼を発現したのか?
なんて事だ。物凄く羨ましいじゃないか。

( ゚∀゚)「何でって……お前、野郎なんぞ助けねえだろ」

(#'A`)「ちょっとした事なら尚更だコンチキショー!」

何たる名推理……
間違いない、二人の頭脳は江戸川バーローを超えた。

(;^ω^)「それはそうですけど、そんなフラグ立つような大それた事は……」

( ゚∀゚)「因みに何したんだ?」

( ^ω^)「十円見つからなくて半泣きになってた子に、十円あげただけだお」

そう言い終えた時、ボクは確かに聞いた。
限界まで張り詰めた何かが、小気味良く切れた音を。

(#゚A゚)「手前は氏ねじゃなくて死ねェーッ!」

師匠が、切れた。

(#゚A゚)「手前なんかなぁッ!無双三段でブチ撒けてやんよォー!」

そう叫ぶ師匠の手には妙に長い竹箒。

(;゚∀゚)「落ち着いてください師匠!まだフラグが立ったと決まった訳じゃ……」

(#゚A゚)「でもそんなの関係ねえ!そんなの関係ねえッ!」

(;゚ω゚)「ヒィィィィィィィィィィィッ!」

ああ死んだ。得物は竹箒なれど、繰り出される技は槍技最強。間違いなく死んだ。
迫り来る師匠を見つめながら、ボクはそう思った。



だが、神はボクを見捨ててはいなかった。



――ぴこーん!



[カウンター]


メメタァッ!( ゚ω゚)三つ)゚A゚#)ヘブァッ!


誰がどう見ても正当防衛。
ボクは何も悪くない。

そしてボクらは地に伏した師匠を置き去りにした。

第十六話『副題:スクエニはロマサガ2を一刻も早くリメイクするべき』糸冬


第十七話『成長』

翌日、

(#)A`)「おいすー」

師匠は顔を腫らして公園にやってきた。
昨日、綺麗に拳が入ってしまったのだから仕方のない事だろう。
改めて言っておくがボクは悪くない。

(#)A`)「なぁ、お前ら」

(;゚∀゚)「な、なんですか?」

(#)A`)「昨日の夕方辺りからの記憶が無いんだけど何か知らね?」

(:^ω^)「さ、さぁ?」

何たる奇跡。
昨日のあの一撃が師匠の記憶を飛ばしたのだ。
ありがとう神様。もうチェーンソーを使うような真似は絶対にしません。

(#)A`)「まぁいいか。泣いても笑っても今日で練習は終わりだ。気合入れろよ」

( ^ω^)「おっおっ」

( ゚∀゚)「うっす」

(#)A`)「よっしゃ。じゃあ行くか」


~~~


(#)A`)「エロ本を持つ力加減、表紙のエロい部分を隠せる最高の角度を体に叩き込め」

(;゚∀゚)「ウッス!こうですか!分かりません!」

(#)A゚)「馬鹿野郎!パンツ丸見えだ!死にたいのかバスト三等兵!」

(;゚∀゚)「分かりましたッ!」

(#)A`)「作者チェックの手を抜くな。一つ当たりがあればそのエロ本で百回は抜けるからな」

(;^ω^)「えっと、じゃあコレだお!」

(#)A゚)「遅すぎるッ!三秒以内に選べッ!あと月乃定規は鉄板だと何度言わせれば分かるッ!」

(;^ω^)「サーセン!」

放たれる昨日以上の叱責。
要求される昨日以上のクオリティ。
特訓は熾烈を極め、とてもきついものだった。

けど、それ以上に楽しくてたまらなかった。
自分が成長している事が手に取るように分かるのだ。嬉しくない訳が無い。
ボクらはこの時間がもっと長く、永久に続けば。などと心の何処かで考えていた。


~~~


そして特訓は最後の一つを残すのみとなった。

(#)A`)「……最後に、俺が実際に買うからそれを目に焼き付けろ」

( ^ω^)「ゴクッ……」

( ゚∀゚)「ペロッ……」

(#)A`)b「お前ら……俺の生き様見とけ!」

親指を立てた師匠の姿。
その姿はとても頼もしくて、そんな師匠の弟子になれたボクらは特別な存在だと感じた。

けど、ボクにはそんな師匠の姿がとても儚げなものにも見えて……

第十七話『副題:野良猫長屋とベンジャミンも鉄板』糸冬


第十八話『絶望』

(#)A`)「……これだな」

師匠の手がエロ本に触れる。
ただそれだけで空気が張り詰め、ボクらは息苦しさを覚えた。

(#)A`)「作者、厚み、金額、手垢、破れ、付録……オールグリーン」

辛うじて耳に届いた師匠の呟き。
敢えて、呟いたのだろう。ボクらに全てを伝える為に。

( ;ω;)「……」

( ;∀;)「……」

自然と涙が溢れてきた。
ボクらの為に、思考を声にするという危険を冒す師匠の心遣いに心を打たれたのだ。

(#)A`)「……左斜前方3mに敵影。フォーメーションRBにシフト」

正確な察知能力と精緻な本の位置移動。
師匠の隣を通り過ぎた男性は、師匠が本を持っていた事すら気付かなかっただろう。

(#)A`)「この足音は……20代前半女性二名。進路をT-Z方面へと軌道修正」

そう呟いた後の、釣り雑誌方面への軌道修正。
直後、師匠からは死角の場所から現れたギャル系の女性二名が通り過ぎる。

(#)A`)「周辺に敵影なし」

まるでリアルタイムで店内全ての情報を知覚しているかの様に、挙動は淀みなく自然。かつ優雅。
その姿を凝視しているボクらでさえ、気を抜けば師匠が何を保持しているのかを失念してしまう。
これが、人に意識させない事を極めた者の業なのか。

(#)A`)「このまま…………否。右方より新たな……この足音……は……」

師匠の表情が強張り、その動きが止まる。
師匠の感覚が敵を捕捉した事はその呟きで理解した。
だが、何故そこまで師匠が緊張する?
なぜ、回避行動を取ろうとしない?
何故――

(;#)A`)「なん、で……」

川 ゚ -゚)「やあ、ドクオ君。買い物かい?」

姿を現した敵。
それはつい先日、ボクらが見かけた女性だった。

(;#)A`)「そ、そうだけど……あれ、クーさんその服は……」

川 ゚ -゚)「諸事情によりここでバイトを始めてな。その制服だ」

(;#)A`)「そそそそっか……」

川 ゚ -゚)「うむ」

師匠の頬を一筋の汗が伝う。
ただそれだけの反応が、彼女の危険性を如実に伝えていた。

川 ゚ -゚)「で、同じ大学同じ学科のよしみで一つお願いがある。君にしか頼めない事なんだ」

(#)A`)「……え?」

川 ゚ -゚)「だから、君にしか頼めないお願いがあるんだ」

(*#)A`)「俺にしか、頼めない……」

彼女の言葉を反芻した後、師匠が俯き口を噤んだ。
時間にして十秒程度の僅かな沈黙。

川 ゚ -゚)「無理か?」

(*'∀`)「何でもやります!」

顔を上げた師匠はとても幸せそうな表情をしていた。
ついでに腫れも引いていた。
間違いない。完全に我を失ってしまっている。
下手をすると、自分がエロ本を持っているという事すら忘れているかもしれない。

(;゚∀゚)「……これってかなりヤバいぞ」

(;^ω^)「お……」

(;゚∀゚)「間違いねぇ、師匠のあの目は……恋する目だ」

なるほど。恋をしている者だからこそ分かる思考という奴か。
恋とは程遠い生活をしているボクは蚊帳の外ですかそうですか。
なぜか分からないがイラっとした。

(;^ω^)「もし、エロ本見られたら……」

(;゚∀゚)「もし俺が見られたとしたら……間違いなく自殺物だな」

(;^ω^)「でも、師匠なら……師匠ならきっと何とかしてくれる!」

そう、師匠は所詮一般人のボクらとは違うのだ。
きっと人知の及ばぬ方法でこの状況を打……は?

(;*'A`)「やめて!かーえーしーて!」

川 ゚ -゚)「この本を買うのだろう?ならば別に問題はない」

師匠はあっさりエロ本を奪われていた。

(;*'A`)「ホントやーめーて!」

川 ゚ -゚)「何でもすると言ったのは君だ。だから、私のレジ打ち練習に付き合ってもらう」

(;*'A`)「そ、そんなの聞いてないよぉー」

川 ゚ -゚)「安心したまえ、私が全身全霊を以ってレジに通させて頂く」

何故だろう、焦っていながらも何処か嬉しそうな師匠の表情が腹立たしい。

(;゚∀゚)「分かるッ……俺には痛いほど分かるッ……」

( ^ω^)「……何がだお?」

(;゚∀゚)「確かに師匠は辱められてる。けど、好きな人と戯れる嬉しさが勝っちまってるんだ!」

(;^ω^)「戯れるって……いじめっ子といじめられっ子にしか見えないお」

(;゚∀゚)「気にするな。それに、師匠はまだ見られてはいないッ!」

(;^ω^)「ッ!」

だからか。
エロ本を奪われているにも関わらず嬉しそうに出来る余裕はそれが理由か。
だからこその、オーバーアクションか。
彼女の視線を自分へ向け、本への興味を薄れさせる。
正に一石二鳥。この状況すら師匠の想定の範囲内だったのかッ!

( ゚∀゚)「こんな時にもサプライズを忘れてないなんてさすが師匠だぜ」

( ^ω^)「まさに超一流のエンターティナーだお」

( ゚∀゚)「どさくさにまぎれておっぱい触ろうとしてるし」

( ^ω^)「正直そこは引くわ」 

ボクらはガキみたいに目を輝かせて師匠のショータイムを見つめていた。
夢の様な、現実離れした光景に完全に入り込んでいたんだ。


だけど、悪夢は気を抜いた瞬間に襲い掛かってきた。


川 ゚ -゚)「それじゃあレジに…………そういえば、これはどういった本なんだ?」

(;'A`)「あぁっ!見ないでぇー!」

川 ゚ -゚)「ふむ……なるほど……」

奪い取ろうとする師匠の手を巧みに掻い潜りながらも彼女は読書を止めようとせず、それどころか……

川 ゚ -゚)「『駄目だよ……僕らは兄妹なんだよ?』『兄上を……誰にも渡したくないんだ……』」

(;゚A゚)「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

あろう事か、情感をたっぷり込めて朗読し始めたのだ。

(; ∀ )「……うわぁ」

(; ω )「……きっついお」

何という悪夢。何たる生き地獄。何たる羞恥プレイ。思わず勃起した。
見ているこちらでさえ精神が崩壊しそうになる。
傍観者である僕らでさえそうなのだ、当事者からしてみれば絶望すら生温い筈だ。
それなのに、言葉に出来ないほど辛い筈なのに、

川 ゚ -゚)「『んっ…中に、兄上のが出てる……あたたかい……』」

(;゚A゚)「お願いだからッ……後生だから……」

それでも師匠は倒れなかった。勃起しつつも。
言葉に精神を抉られ、羞恥に魂を焦がされて尚、二本の足で立っていた。

( ;ω;)「何で、立っていられるんだお……」

( ;∀;)「決まってるじゃねえか……愛の力だよ」

愛。そんな物で人はここまで耐えられるのか。
愛で人はここまで強くなれるのか。

川 ゚ -゚)「『じゃあ女の子にちんこついてたら?』」

(;゚A゚)「なめたい!ふしぎ!」

川 ゚ -゚)「『ですよねー』」

愛ってすごい!ふしぎ!


~~~


どれほどの時間が経っただろう。

川 ゚ -゚)「……ふぅ」

溜息と共に彼女が本を閉じた。
それが意味するものは悪夢の終焉。

(; ω )「助かったのかお……?」

(; ∀ )「多分……な……」

(* ω )「パンツが気持ち悪いお……」

(* ∀ )「俺も……」

誰一人死ななかった幸運を神に感謝した。
ガビガビになったパンツは気持ち悪い事この上ないが、命があるだけ儲けものだろう。
ボクらは助かったのだ。もう、全ては終わったんだ……

川 ゚ -゚)「ところでドクオ君」

(;゚A゚)「ナ、ナニ……?」

そう、悪夢は……

川 ゚ -゚)「男性というものはこういうのが好きなのか?」

(;゚A゚)「……エ?」

(  ω )「……え?」

(  ∀ )「……え?」

なにも、終わってなどいなかった。
今までの行為は全て布石だったのだ。
ならば、次に放たれるのは情け容赦の無い、必殺の一撃。

川 ゚ -゚)「時期がきたら、こんな風に彼を誘惑してみようと思ってな」

(;゚A。)「……カ…レ?」

彼女の言葉が意味するのは片思いの終焉。

川*゚ -゚)「ここの店長をやっているショボンさんが、ようやく首を縦に振ってくれたんだ」

彼女の言葉は、師匠の精神を完膚なきまでに粉砕した。

( A )「…………」

もう、師匠の耳には言葉など届いていなかっただろう。

川 ゚ -゚)「もうな、昨日など嬉しくて……ドクオ君?」

やめてくれ。それ以上追い討ちをかけないでくれ。師匠のライフはもうゼロだ。

( A )「…リ…グ………コンティオ……」

そう呟いた師匠の体が小さく揺れ、そのまま、糸の切れた人形のように、前のめりに倒れた。


少しだけ、腰を浮かせて。


( ;ω;)「師匠ォ――――――!」

( ;∀;)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

ボクらは、何も出来なかった。
見ている事しか、出来なかった。


少しだけ、腰を引いて。

第十八話『副題:女の知り合いに見られると死ぬる』糸冬

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ひちょりまちょめ

Author:ひちょりまちょめ
コテ酉無しです。
でも一話の最後見たらすぐ分かる仕様です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。