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('A`)はただの童貞のようです 1話

――誰かが言った。
『男は皆、生まれてきた時は童貞だった』と。

――誰かが言った。
『童貞の妄想力が文化の発展に繋がった』と。

――誰かが言った。
『童貞は無垢なる存在であるが故に、己の限界を知らぬ』と。

――誰かが言った。
『童貞は無限の可能性を秘めている』と。




('A`)はただの童貞のようです
――白と銀で統一された部屋。
そこにいるのは、薄桃色の装束を纏いし女。そして椅子に座った男。

――背凭れの倒された椅子に座る男の口から漏れたのは、声にならぬ呻き。
その筋肉は苦痛に引き攣り、その指は、肘掛けを砕かんばかりに強く握り締められていた。

――だが、男は笑っていた。
呻きを上げながらも、度し難い苦痛を覚えながらも、大きく口を開いたまま、声を出さずに笑っていた。

――彼が覚えしは苦痛のみにあらず。
女から漂いし甘き香り。そして、薄衣越しに伝わる柔き肉の感触。

――故に、男は苦痛を甘受した。
其の香りと感触を愛すが故に。そして――

――其れを如何なる存在よりも喜悦できる、真性毒男であるが故に。



第一話『I’m Cherry』



――まだ午後六時だと言うのに沈みかけた太陽。そして肌寒さを覚える風。
それらは、信号待ちをしている人々と、その中の一人であるボクに、秋の深まりを感じさせた。

( ^ω^)「うーん、せめてもう一枚くらい着てくるべきだったかお……」

今の季節にロンTと肌着では無理があったか。などと思いつつ、携帯を弄るボクの名は内藤ホライゾン。
異性への苦手意識と、あがり症な性格から、恋人を作る事なんてとうの昔に諦めた22歳だ。

上司に言われるがままに働き、何ら変化の無い日常を生き、たまの長期休暇に実家に帰る。
そんな刺激の一切無い生活。だが、それはそれで幸せなのだろう。

けど、何らかの刺激が欲しいと思わない事も――

( ^ω^)「……お?」

唐突に、先ほどまで視界の隅に見えていた隣の人の足が消えた。
視線を左右に動かすも、誰の足も見えない。不審に思ったボクは顔を上げ、

(;^ω^)「お……おー?」

我が目を疑った。眼に映るのは、心の片隅で望んだ刺激。
最上級の刺激と言ってもいいかもしれない。

(;゚ω゚)「え……ちょっ……」

それは、他の車を押しのけながらこちらへと突っ込んでくる大型トラック。
避けきれたならば、とてつもなくスリリングな体験だった。と武勇伝として語る事も出来るだろう。

だが、唐突に訪れた非日常に対処できるほど、ボクの頭は切り替えが早くない。
その上、迫り来る大型トラックを見た瞬間、恐怖の余りに腰が抜け、へたり込んでしまったのだ。

(;゚ω゚)「あわわわわわ……な、何で、何で動けないんだお!」

這い擦って逃げようにも震える腕に力は入らず、ただ地面を滑るばかり。
腕だけではない。全身が、まるで自分の身体ではないかの様に、言う事を聞いてくれなかった。

( ;ω;)「やだお!まだ、まだ死にたくないお!」

唯一まともに動く口が、迫り来る死を拒絶する。
ボクは涙と鼻水で顔をクシャクシャにしながら、生を渇望していた。

( ;ω;)「お願いだから!誰か助けてくれお!」

だからボクは叫んだ。
死にたくないと。もっと、生きたいと。


――そんな時、彼は現れた。


(  )y―~~「……歯医者帰りにこんな状況と巡り合うたぁ、全く以ってツいてねえ」

( ;ω;)「……へ?」

聞き覚えのある曲を垂れ流し、真紅のロングコートを秋風にはためかせながらボクの前に立つ男。
ボクは、彼が目の前に現れたその瞬間まで、その存在に気付けなかった。

袖から見える腕は女性のそれと大差ない程に細く、その背中は、進化途中の猿人類の如く前傾している。
どう考えても、頼り甲斐のない体格。

しかし何故だろう。
こちらを庇う様に立つ彼の背中を見た瞬間、ボクは言葉にならないときめきを覚えた。


――ボクは、彼の様な存在を何と呼ぶのか知っている。

誰かの危機に颯爽と現れる正体不明の存在。
唯、己の内にて熱く燃え滾る義侠心と使命感に従う存在。

――そう、人は彼の様な存在を『ヒーロー』と呼ぶ。

たった四文字の、使い古されたと言っても過言ではないその単語。
それは、少年、そして大きな子供の心を激しく震わせ、昂らせる。

だが、それが存在し、活躍できるのはブラウン管や液晶の向こう側。
決して、現実には現れる筈の無い存在。
しかし――

(  )y―~~「まぁいい……俺に任せろ」

( ;ω;)「……お」

今この瞬間、ヒーローはボクの眼前に、確かに存在した。
そして――

('A`)「ドクオ・ザ――」

小さく聞こえるあの曲が、サビに入った瞬間――

(#゚A゚)「トイレェェェェェェェェェット!ラァァァァァァァァァァァンチ!」

彼の体躯から想像できない程の絶叫。
それと共に、煙草を挟んだままの右掌がその足元を衝き、直後――


――空箱を潰した音を数十倍、数百倍大きくした様な破砕音。
それが、壁越しに鳴り響いた。

(;゚ω゚)「……」

助かったと安堵する事さえ忘れ、呆然としていた。
声など、出よう筈が無い。

視界に映るのは彼の紅い背中。その先には、薄汚れた白壁。
左も同様に白壁。右を見れば、白壁と三角に折られたティッシュがはみ出したホルダー。

上を見ればオレンジ色の夕焼け空。
ボクの足下にはアスファルト。

どう見ても、トイレ。便所。厠。
ボクは、トイレ(大)にいた。

瞬間移動などと言うものではない事は、何ら変わらぬ空と地面を見れば分かる。
トイレがこの場所に出現したのだ。

どちらにしろ、理解の範疇を超えていた。夢としか思えなかった。
だが、濡れた尻の冷たさが、コレが現実である事を実感させる。

(;゚ω゚)「って、何で尻が濡れてるんだお!?」

思わず立ち上がり、振り返る。ボクの視線にあるのは、蓋と便座の上がった洋式便器。
なるほど、つまりはそういう事か。

(’A`)「……スマンな」

唐突に、男が言葉を発した。
その言葉が意味するのは謝罪。

(;^ω^)「……なにが、ですかお?」

(’A`)「便器の蓋、閉め忘れていたからな」

( ^ω^)「……別にいいですお。命と比べればそんなもの……じゃなくて!」

(’A`)「……なんだ?」

色々な事が立て続けに起こったせいで、混乱していた事は否めない。
だが、何よりも先に言うべき事があった。ボクは、彼に命を救われたのだから。

(;^ω^)「あの、助けてくれて、本当にありがとうございますお」

(’A`)「……気にするな。俺が勝手にやった事だ」

( ^ω^)「でも、その……」

次の句が浮かばなかった。
相手は命の恩人だと言うのに、言うべき事は幾らでも在ろう筈なのに。
それなのに――

( ^ω^)「……一つ教えてもらえませんかお?」

――気付いた時には、そう口にしていた。
だが、それも仕方の無い事だろう。彼は、理解不能な現象を目の前で起こしたのだ。

聞かずにはいられない。
そう、聞きたくてたまられなかった。

それは純粋な好奇心の表れ。
彼は、ボクの好奇心を今でかつてない程に揺さぶったのだ。

(’A`)「……内容次第では」

( ^ω^)「アナタは……何者なんですかお?」

普通の人間には起こせない事象を彼は起こした。
だからこそ聞きたい。彼は、何者なのか。何故、先程の様な奇跡を起こせるのかを。


(’A`)「俺は…………ただの童貞だ。それ以上でもそれ以下でもない」


彼の返答は、ただそれだけ。その言葉に、何と返せばいいのだろう。
返すべき言葉を、ボクは知らなかった。

これが――ボクと彼の、最初の出会い。

第一話『副題:其れは、小さな変革の始まり』糸冬


~良い子の必殺技講座第一回~

川 ゚ -゚)「やあ諸君、私の名前はクー」

川 ゚ -゚)b「フリーの解説厨さ!」

川 ゚ -゚)「今回の必殺技は『ドクオ・ザ・トイレットランチ』」

川 ゚ -゚)「所謂便所飯だな。モテない上に友達のいなかった学生時代のドクオ」

川 ゚ -゚)「そんな彼が、学校の中で唯一、心から安らげた場所。それがトイレ」

川 ゚ -゚)「独りではあるものの、他者から干渉される事が無いその場所」

川 ゚ -゚)「其れが彼の脳内にて誰にも侵されない領域と認識され、それを具現したのがこの必殺技だ」

川 ゚ -゚)b「とっても硬いぞ!」

川 ゚ -゚)「但し、少々臭う上に、上からの攻撃と水に非常に弱くなるから気をつけろ」

川 ゚ -゚)「原理とかそこら辺はアレだ。うん、童貞に不可能はない!と言う奴だ」

川 ゚ -゚)ノシ「という訳で、次回もSTAND UP TO THE VICTORY!」

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Author:ひちょりまちょめ
コテ酉無しです。
でも一話の最後見たらすぐ分かる仕様です。

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