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('A`)はただの童貞のようです 4話


――童貞の概念は肉体のみにあらず。心にも、その概念は存在する。
肉の貞操は行為、心の貞操は愛にて喪われる。

――喩えるならば、肉の貞操は器。心の貞操は中身。
故に、片方のみを失いし者は、自己の調和を崩す事となる。

――調和崩れし者に訪れるは、精神の歪み。
それはやがて肉へと及び、自己と云う存在全てを狂気に染める。

――その果てに待つは、存在の崩壊。
故に、人は呼ぶ。最大限の侮蔑を込めて――



第四話『堕ちし存在』
――時を刻む二本の針が、盤の頂点にて重なる。
其れでも尚、バーボンハウスから人が絶える事は無い。

他の客と話しながら飲む事を由とする者もいれば、純粋に酒と場の雰囲気を楽しむ者もいる。
この場所に初めて来た内藤は、どちらかと言えば前者だった。

(*^ω^)「ふぅ……こんなに美味しいお酒があるなんて、今まで知らなかったお」

(´・ω・`)「しかしよく飲むねぇ。それで七杯目だよ」

(*^ω^)「奢りと思うとついつい飲んじゃいますお」

マスターであるショボンと言葉を交わす内藤の頬は、僅かに紅潮するのみ。
少なくとも、度数の高い酒を七杯も飲んだ様子には見えない。
しかし、そんな内藤とは逆に――

(;´_ゝ`)「OK内藤、頼むから程々にな、な?」

(*^ω^)「大丈夫ですお兄者さん。ボクはまだまだいけますお」

(;´_ゝ`)「そうじゃなくて……程々にしてくれんと、俺の懐が限界を超えかねんのだ」

その隣に座る兄者の酒は全く減っておらず、その顔は、哀れみを誘う程に青褪めていた。
内藤、弟者、ドクオ、そして自分の分を払わねばならないのが、その理由だろう。

(´・ω・`)「内藤君、次はこのドンフリオ1942をボトルでどうだい?」

(*^ω^)「いただきますお」

(;´_ゝ`)「それらめぇぇぇぇっ!お財布がオーバーキルされちゃうのぉぉぉぉぉぉっ!」

(*^ω^)「いいじゃないですかおー」

(´・ω・`)「いいじゃないかー」

酒の価値を知るが故に、悲痛な叫びを上げる兄者。
酒の価値を知らぬが故に、無邪気な言葉を返す内藤。
そして、二人を笑顔で煽るショボン。

(´<_` )「……」

('A`)「……」

そんな騒がしい三人とは対照的に、弟者とドクオは静かに佇んでいた。
二人とも僅かに俯いたまま、時折、口内を潤す程度に酒を含むのみ。

(´<_` )「……昨日は済まんな。手間を掛けさせて」

('A`)「気にするな。大体、只でさえ少ないダチがこれ以上減ったら、流石に洒落にならねぇ」

(´<_` )「なるほど……それもそうだな」

本気で納得した口調での呟きと共に、深く頷く弟者。
その仕草に、ドクオは少しばかり顔をしかめる。

だが、それが浮かんだのは、ほんの一瞬。
弟者が顔を上げた時、その表情はドクオの顔から消え失せていた。

( A )「……」

しかし、その眼に宿るは怪しい光。
酒の場での行為ならば許される。そんな確信を宿す光。

('A`)「弟者……一つ、いい事教えてやるよ」

(´<_` )「……何だ?」

('A`)「こういう時は済まないじゃなくて、ありがとうって言うのがモテる秘訣らしいぞ」

ドクオの言葉は、友好関係を築く上では確かに有効だろう。
しかし、恋愛関係となると、かなり怪しいものがあるが――

(´<_`*)「……なんと。其れは本当か?」

そんな胡散臭い、信憑性の薄い話に、弟者は躊躇い無く喰い付いた。
悲しいまでの男の性とでも言う所だろうか。

やはり、男として生まれたからには、一度はモテてみたいのだ。
童貞の身なればこそ、その想いは非童貞よりも遥かに強い。

――それをドクオは知っている。
弟者と同じく、未だ女を知らぬ身であるが故に。

('A`)「ああ。体験者曰く、始めて一週間で同じ会社の子と結ばれたそうだ」

(´<_`*)「む、結ばれるとは、何ぞや?」

('A`)「わかるだろう?結ばれるってのは……」

(´<_`*)「……」

弟者の顔に浮かぶは、ドクオの一言一句さえ逃さない、と言わんばかりの真剣な表情。
しかし、ドクオは弟者の興奮が高まるのを待つかの様に、中々言おうとはしない。

('A`)「……」

(´<_`*)「な、なぁ……」

沈黙に痺れを切らし、弟者が口を開いた瞬間。
其れは、僅かながら気を抜いてしまう瞬間。

――それをドクオは待っていた。

('A`)「『あなたと……合体したい……』だ」

声色を落として呟かれたその言葉に、弟者の鼻孔より、一筋の赤い液体が流れ出す。
その液体が唇を伝い、やがて、顎の先端よりカウンターに滴り落ちた。

(´<_`*)「恐ろしや……言葉一つでそこまでの効果があるとは……」

('A`)「言葉ってのは大事なもんだ。なんせ……」

ドクオの言葉が唐突に途切れ、視線が動いた。
隣に座る弟者の視線も、それに倣うかの様に動く。

('A`)「……来たか」

(´<_` ) 「……ああ、来たな」

(;´_ゝ`) 「いや、ちょ、内藤、ほら、俺のあげるから……来たな」

(*^ω^)「だが断るですおー……お?」

――内藤を除く店内の人間全員の顔に緊張が浮かび、皆の視線が一点に注がれる。
その視線の先には、カウンターの隅にて鳴り響く黒電話。

(´・ω・`)「はい、もしもし……はい……はい……分かりました」

ショボンが受話器を手に取り、メモを取りながら言葉を交わす。
そして、受話器が置かれた時、店内の客全員が、ショボンの言葉を待つかの様に沈黙していた。

(´・ω・`)「兄者君と弟者君は殆ど酒が入ってない様だけど……いけるかい?」

( ´_ゝ`) 「当然」

(´<_` )「断る理由は無いな」

寸分違わぬタイミングでの二人の返事。
それにショボンは小さく頷きを返し、兄者に先程のメモをしていた紙を手渡す。

(´・ω・`)「君たちなら大丈夫だと思うけど、一応気をつけてね」

(´<_` )「ああ。それじゃあ、行ってくる」

( ´_ゝ`) 「内藤、いい子にしてろよ。知らないおぢさんについてっちゃダメだからな」

(#^ω^)「ボクはそんな子供じゃないですお」

そう言いながら頬を膨らます内藤に、兄者はニヤつきながらハイハイと生返事を返す。
そして、兄者と弟者の二人は扉の方へと踵を返し、扉の向こう側、夜の闇へと足を踏み出した。


~~~~


――夜道に立つ二人の男。
一人は、黒のパ-カーにジーンズの兄者。
もう一人は、上下共に紺色のスーツの弟者。

(´<_` )「兄者、身体の方は本当に大丈夫なんだろうな?」

( ´_ゝ`) 「ああ。そもそも仮病だしな」

(´<_` ) 「ならば良いのだが……」

正面を見据えたまま会話する二人。
彼らが背にするは、風俗街。

(´<_` )「……なぁ、兄者」

( ´_ゝ`)「……何だ、弟者」

(´<_` )「結果を知っていながら、何故、求めた」

( ´_ゝ`)「……言わなきゃ、駄目か?」

(´<_` ) 「言わずとも良いが、もう、あんな事はしないでくれ」

彼らは、待つ。
堕ちた同族をこの先に進ませず、この場にて取り押さえる為に。

(´<_` )「兄者が壊れれば、父者に母者、姉者に妹者、みんな悲しむ」

( ´_ゝ`)「……分かっているさ。もう二度とオナ禁なんてしない」

(´<_` )「なら、いいんだ…………俺は、兄者を手に掛けたくなどない」 

兄者と弟者、そして街を照らすは街灯、そして月光。
だが、光が街を照らすが故に、それの届かぬ、影の折重なりし場所の闇は一層深い。

( ´_ゝ`) 「……すまん」

(´<_` )「……謝るのは後にしてもらおう」

( ´_ゝ`)「うむ。楽しい楽しい尻拭いの始まりだ」

彼らが見据えるは、街灯傍の路地の入り口。
そこより出でしは、身体の前面を赤黒い斑に染めた、大きく張ったエラが特徴的な男。

<ヽ ∀ >「……」

路地より出てきた男は、左右に視線を彷徨わせた後、兄者達へと向けて足を一歩踏み出す。
言葉無く、自分の外見が異常である事を気にもせず、ただ、兄者達へと歩み寄る。

( ´_ゝ`) 「やれやれ、若さ故の過ちじゃあ済まない歳だろうに」

(´<_` )「兄者も人の事は言えないと思うがな」

二人の視線は、こちらに歩み寄るエラの張った男の右手、その硬く握られた指。
そこに填められた指輪と、拳の親指付近より前方へと伸びた鋼が光を浴び、鈍い輝きを放つ。

握られているのは両刃のナイフ。
材料を切る訳でもなく、ロープを切る為でもなく、ただ人を威嚇し、殺傷する為に作られた刃物。

その刃は脂に曇り、その先端からは液体が滴り落ちる。
滴り落ちる液体は、持ち主の衣服と顔を染めた物と同じであろう。

<ヽ ∀ >「……」

( ´_ゝ`) 「……」

(´<_` )「……」

十歩弱ほどの距離で、エラの張った男の足が止まる。
そして、兄者と弟者の視線が、エラの張った男の視線と交錯した。

エラの張った男の、淀み、濁り、歪んだ、彼らが相対する存在特有の、粘り付く様な視線。
その視線を感じながらも、兄者と弟者の表情は動かない。

( ´_ゝ`) 「ニダーだな。悪い事は言わん、ナイフを捨てて投降しろ」

<ヽ ∀ >「……」

ニダーと呼ばれた男は、兄者の呼びかけに応えない。
その代わり、右手のナイフを握り直し、その感触を確かめる様に二度、三度、その指に力を込めた。

(´<_` )「……それが答えという訳か」

( ´_ゝ`)「ならば、力尽くで屈服させるのみよ」

その言葉を皮切りに、兄者の右足と弟者の左足が前に一歩、踏み込まれる。
そして、その上半身が前に傾けられ、後ろ足側の手が尻に添えられた。

兄弟にて左右対称の、背を合わせる様な構え。
それは、兄弟共に童貞であるが故に生まれた、一対の構えであった。

<ヽ ∀ >「……」

だが、そんな構えなど関係ないとばかりに、ニダーは眼前の二人を見つめる。
声が届いているかどうかすら怪しい、虚ろ気なその表情のまま。

ニダーの眼が、まるで値踏みするかの様に、二人の足元から頭へと、順に視線を動かす。
そして、視線が弟者の頭頂まで動いた時、その瞳が獲物を見定めた獣の如き、凶暴な光を宿した。

<ヽ゚∀゚>「ホル……ホルホルホル……」

直後、奇妙な笑い声と共にその眼が見開かれ、その身体が後方へと反り返る。
そして、頬の肉が千切れ、裂ける音と共に、その口が三日月の如き裂け目へと変貌した。

裂け目から血が溢れ出し、その顔と衣服を更に汚す。
それでも構わずニダーは笑い続ける。彼の視線が捉えるは弟者。

ニダーが過去に何度も恫喝し、金を奪った者と同じ格好の存在。
故に彼は笑う。己の餌が眼前に存在し、逃走する素振りすら見せぬが故に。

そして――ニダーが動いた。
緩慢とさえ呼べる緩やかな動きで、右足を一歩踏み出す。

そして更に、左足で一歩。
その踏み出した勢いのまま、身体が前へと傾き――

<ヽ゚∀゚>「るぅぅぅぅぅぅぁぁぁぁっ!」

――獣染みた叫びと共に、ニダーの身体が前方へと駆けた。
更に二歩、三歩と踏み込み、その度に身体が加速する。

( ´_ゝ`)「……どちらが合わせる?」

(´<_` )「……俺が兄者に合わせよう」

二人が互いの頷きを確認した時、ニダーは既に眼前にて、その右手を振るい始めている。
そして横に薙ぎ払われたナイフが切り裂いたのは、数本の髪。

ナイフが裂くべき二人の身体はそれより僅かに下。
反動を上乗せされた返す刃も、更に身を屈めた二人には当たらない。

<ヽ゚∀゚>「あ゙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

そこから更に、力任せに振り上げられたナイフが裂いたのは大気のみ。
二人は屈めた前足を身体ごと後方へと伸ばし、上体を安全地帯へと移動させていた。

( ´_ゝ`)「そぉい!」

掛け声と共に、兄者の右拳、その甲が上体ごと前方へと跳ね上がる。
そして振られた右甲が、右腕を振り上げ、がら空きとなったニダーの脇を打ち――

(´<_` )「そぉい!」

――直後、既に身体を捻っていた弟者の右裏蹴りが、ニダーの鳩尾を蹴り飛ばした。

<ヽ゚∀゚>「ほるっ……ふっ……るぇぇぇっ……ぼぶっ……ぶっ……」

ニダーの身体が数歩ほど後退し、その口から吐瀉物が漏れる。
だが、腹を抑え、口だけでなく鼻孔からも吐瀉物を漏らすその顔から笑みは消えない。

それどころか、より一層、笑みは深まる。
そして、痛覚など忘れてしまったと言わんばかりに、笑い声は大きくなっていた。

( ´_ゝ`)「ふむ……やはりタフだな」

(´<_` )「まぁ、相手が相手だ。仕方あるまいよ」

常人ならば、それを見ただけで気を失うであろう、血と吐瀉物に塗れたニダーの凶貌。
それと相対して尚、平静を保ち続ける二人。

( ´_ゝ`)「では……やるか」

(´<_` )「うむ。全力にてケリをつけるのが情けと云うものだ」

――二人は、幾度となく相対しているのだ。
今相対する存在と同じ、堕ちた同族――


(#゚_ゝ゚)「「サスガ・ザ――――」」(゚<_゚#)


――『素人童貞』
そう呼ばれる存在を捕らえる為に、ここにいるのだ。


第四話『副題:その魂に救いなど無く』糸冬



~~良い子の必殺技講座第四回~~

川 ゚ -゚)「そんなこんなで第四回。まとめはアレだ、自作と云う奴だ」

川 ゚ -゚)「今回の必殺技はショボンの繰り出した『ドンフリオ1942』」

川 ゚ -゚)「一般庶民の財布にとてつもない被害を与える必殺技だ」

川 ゚ -゚)b「とっても痛いぞ!(経済的に)」

川 ゚ -゚)「詳しく知りたい奴はぐぐりたまえ」

川 ゚ -゚)b「因みに値段は750mlで16,800円だ!」

川 ゚ -゚)「絶望した!百年の孤独の上を行く値段に絶望した!」

川 ゚ -゚)ノシ「という訳で、次回もSTAND UP TO THE VICTORY!」

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Author:ひちょりまちょめ
コテ酉無しです。
でも一話の最後見たらすぐ分かる仕様です。

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