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从 ゚∀从達 は闘争の中でこそ輝くようです  第六話 前編

――花も恥らう年頃の乙女、ハインリッヒ高岡。
身長0.97hyde。体重はご想像のままに。スリーサイズはつる・ぺっ・たん。

そんなつる・ぺっ・たんは、強く在ろうとした。
強く在りたいと願った。

其の根底に在るのは――幼き頃に見た、北斗ナッコウ(再放送)。
ブラウン管の向こう側にある弱肉強食の世界は、幼きハインリッヒの心に大きな衝撃を残した。

从;゚∀从 「よ、弱いとモヒカンにヒャッハーやられちゃうんだ……強く、なろっと……」

故に、強く在ろうとした。
強く在らんと心に誓った。

弱肉強食の社会を生き抜く為に。


最終闘争 中 『譲れない想い―I Get Your Heart―』



――運動場。
そこは健やかなる肉体を鍛えるべき場所。
だが――今この時、雪吹き荒ぶ其の場所は本来の目的とは大きく逸脱した場所と化さんとしていた。

只中で大きく揺らぐは、季節外れの陽炎。
それは、人の体表より立ち上る熱気。

从 ゚ハ从「……」

('A')「……」

ハインリッヒとドクオを筆頭に、向かい合う二つの陣営。
男女に別たれた両陣営を構成するのは、幼さの残る少年少女と称しても差し支えの無い者ばかり。

だが、其の眼は餓狼の如く、年不相応なぎらつきを見せる。
其の口は醜く歪み、獰猛な笑みを浮かべている。
一人の例外も無く、だ。

其の光景は余りに異様。
思春期の少年少女が、コレが若さだ、なんて言葉では片付けられぬ本気の殺気を放っているのだ。

笑顔のままで。
獣じみた、悪鬼の如き笑みを湛えて。

――其の様は、まるで血を啜り合わんとする狂気の宴の始まりを予感させた。

( ФωФ)「――と云う訳で実況をデパートGATIMUTI支配人杉浦ロマネスク。そして……」

「馬」⌒ヾlw´- _-ノv 解説を不本意ながらロマネスクの嫁、杉浦シューでお送りします

(;ФωФ)「ふ……不本意?それじゃあ送り迎えのキスは嫌々なのであるか!?」

「馬」......lw´- _-ノv あー、ほら、御近所の目ってのがあるし

(*つω∩)「じゃあ何で舌を入れたりするであるか!?我輩未だに恥ずかしいである!家出るたび顔真っ赤なのである!」

馬「ヒヒーン」   lw´- _-ノv 「ほほう。舌だけじゃ飽き足らず、送迎時に下を入れたいと」

(*つω∩)「きゃー!嫁の助べ

――何かが大気を裂いた。そして、とすん、と音がした。
其の音は、足を踏み鳴らす音に満たされたグラウンドで、不思議と響いた。

直後、ロマネスクの体が揺らぎ、崩れ落ちる。
其の頭部に咲き誇るは、一輪の薔薇。

@++(*つω∩)++++++

(*゚ー゚)「なっ……」

(,,゚Д゚)「あのトイレマニアクスと呼ばれたあの男が……」

ζ(゚ー゚*ζ「ふっ……其の程度の事、佐○県民なら赤子でもやってのけるわ」

( ・∀・)「と云う事は……犯人はエガちゃん!」

唐突な出来事に、両陣の気勢が揺らぐ。
が、その中に只一人悠然とした態度を取り続ける者がいた。

('A')「ふふ、精子付きの薔薇は臭かろうて……」

lw´- _-ノvb∑  

('A')b∑

視線をハインリッヒに向け、ロマネスクの方へと伸ばした片腕を戻しながら、ドクオは片頬を歪める。
あからさまな、挑発。声に出さずとも、其の態度が告げる。
君にこの様な技は出来るのか、と。

从 ハ从「……」

対するハインリッヒは視線を避けるかの様に俯き、小さく肩を震わせる。
其の様は、まるで恐怖に打ちひしがれ、呆然我失したかのように見える。

('A')「ふふっ…………ふう」

ドクオは、そんなハインリッヒの姿に嗜虐的な性的興奮を覚え、逸物を膨らませる。
そして、涙を必死で堪えているであろう顔を想像して射精した。

だが――

从 ハ从「……っふ」

――ハインリッヒの震えは、寒さによるものではない。
武者震いによるものでもない。
先程の魔技に対する畏れでも無い。
その震えは――

从 ゚ハ从「ふもっ……ふもふもふもっふ!」

――堪えきれぬほどの嘲笑を抑える震え。
顔を上げたハインリッヒの眼には絶望など浮かんではいない。
髭に隠された口元は嘲りで満たされている。

そして掲げられた指が指し示す先には――

@~~~ξ*つハ∩ξ~~~

――薔薇共々、髭で彩られたロマネスクの姿。

('A')「ムゥ……あれは髭小豆!」

ξ*゚⊿゚)ξ「ハイン様、御美事にございまする!」

( ^ω^)「敵ながら……御美事だお」

从*'ー'从「あれれー?膀胱がじんじんするよー?」

(*´∀`)「じょぼぼ……じょぼぼ……」

lw´- _-ノvb∑

从 ゚ハ从b∑

前哨に相応しき魔技の応酬に、両陣営の気勢は、じょぼらんばかりにいきり立つ。
そして、僅かな衝撃で湯気立つ水溜りを創造せんとする臨界点へと到る寸前――


三=―――⊂(#‘_L' )つ―――=三


――雪を切り裂く一陣の疾風が、両陣の間を大股に駆けた。
竹箒を携え現れた彼は、用務員のおぢさんこと鴨志田。
年は47歳。趣味はひとり遊戯王。彼は、この学校をこよなく愛する、空気の読めぬ男であった。

(#‘_L' )「コラお前らー!何やっとるかー!」

――年の衰えを感じさせぬ声は大きく響いた。
だからこそ、その声は大気を震わし――膀胱を決壊させた。

('A')「さあ――往きなさい。貴殿らの勇姿を見せる時がきたのです!」
  _
(#゚∀゚) ゚ω゚),゚Д゚)「「雄ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」」(・∀・(´゚ω゚`#)

(*´∀`)「じょぼぼぼぼぼぼ」

从 ゚ハ从「ふもぉぉぉぉぉぉっふ!」

ξ#゚⊿゚)ξ゚д゚)゚д゚)リ「「へやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」('、`川дζ(゚∀゚(∵ハ\

从///从「ああっ、だめっ、とまんないよぉ!」

両陣を構成した一人一人が、室伏並みの奇声を発しながら駆け出した。
それは群体でありながら一つの意思を共有するかの様に、一糸乱れなき動きで相手へと向かう。

(#‘_L' )「こ、コラァ!止めんかッ!」

両陣の衝突地点にあった鴨志田は必死に叫びを上げる。
だが、闘争心は沸点まで湧き上がり、その眼が敵のみを凝視していたが故に――そう、それ故にだ。

誰も、鴨志田の存在に気付かなかった。気付けなかった。気付こうとすらしなかった。
誰一人として、それに、哀れな犠牲者である鴨志田に眼をくれようともしなかったのだ。

(#‘_L' )「うわっ!ちょっ!か、かかか勝手にこんな事していいと思ってんかっ!?」

鴨志田がどんなに声を荒げ、竹箒を振り回そうとも、雄叫びは微塵の陰りを見せようとしない。
哀れな犠牲者は、勇敢……いや、無謀な者であった。
それ故に、その身は無残にも轢かれ、

('、`#川「せいッ!」
  _
(#゚∀゚)「とうっ!」

(;‘_L' )「やめ……ちょっ、ぽこっ!ぽこっ!」

踏み台にされ、

ξ#゚⊿゚)ξ「うおぉぉぉぉぉぉっ!」

(#^ω^)「らぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

100点、200点と献上した直後――

「せいやぁぁぁっ!」ξ#゚⊿゚)ξ⊃)‘_L'(⊂(^ω^#)「せぇぇぇぇい!」

――鴨志田は、胸に抱いた誇り高き尊厳と共に、両側より襲い来る拳打によって打ち砕かれた。

~~~

――同時刻、女子更衣室。
生徒は校庭に集合し、教師はビール片手にソレを眺めている今この時。

秘密の花園と称されるこの場所は、今この瞬間まさに自由空間。
下着狩人と称される者にとって、夢の理想郷が今ここに存在していた。

そして、其の空間でただ一人――
 _、_
(;,_ノ` )「俺は……夢でも見ているのか?」

――渋沢は我が眼を疑うかのような表情で、棒立ちになっていた。
無理も、無いだろう。
今この時、夢にまで見た、思わず夢精した光景が今眼前に広がっているのだから。

我知らずの内に、鼻腔と肺はむせ返る雌の香りを胸いっぱいになるまで吸い込み続ける。
そして、名残を惜しむように、ゆっくりと、そう、ゆっくりと息を吐き出した。
 _、_
(;,_ノ` )「……」

だが――渋沢は、動こうとはしない。
目の前の、腰を落として手を伸ばせばすぐ届く位置に、脱ぎ捨てられたスカートがあると言うのにだ。

この状況に於いて、彼の本能は罠ではないと告げる。
周囲――校舎内に人の気配は無く、室内に監視カメラの類も存在しない。
それでも、渋沢は室内の物に触れようとさえしなかった。

棒立ちのまま、数分が過ぎた頃だろうか。
渋沢は無言のままに煙草に火を点した。
 _、_
( ,_ノ` )y-・~「……」

仄かに漂う汗の香りと共に、紫煙を深く吸い込み、吐き出す。
ソレを数度繰り返した後、踵を返し、ドアノブに手を掛けた。
 _、_
( ,_ノ` )y-・~「……俺は、死ぬまで夢を追い続けていたいんだよ」

其の言葉には、男の矜持が秘められていた。
彼の名は渋沢。己の美学を持つ下着狩人であった。

~~~

――両陣の衝突の瞬間、大気を歪ませ、人の身を木の葉の如く吹き飛ばす衝撃が発生した。
砂塵舞い散る其の中央には、朧に映る二つの人影。

ξ#゚⊿゚)ξ「アンタは引っ込んでなさいよっ!」

(#^ω^)「其れはこっちの台詞だおっ!」

――その真上、遥か上空には、

('、`#川「ゴゴゴゴゴゴゴゴ!」
  _
(#゚∀゚)「ドドドドドドドドド!」

将棋盤を挟んでJOJO立ちで向かい合う二人の姿があった。


――砂塵と雪の舞う中で放たれる拳打は大気を裂き、軌跡を残す。
軌跡は幾重にも重なり、空間に幾何学的な模様を創り出す。

やがて、拳が、正面より激突した。
衝撃は舞い上がった砂塵を吹き飛ばし、踏み止まる両者の靴底を地に沈める。

ξ#゚⊿゚)ξ「……」

(#^ω^)「……」

――二人は、幼馴染で友人以上、恋人未満、そんな関係だった。
気恥ずかしさ故に互いに告白は出来ぬものの、純粋に相手を想い合う、そんな仲であった。

だが、歯を剥いて睨み合うこの光景は、昨日までの日々がまるで遠い昔であるかの様。
相手を繋ぎ止めるべき其の手は拳に形を変え、殺意を込めて相手へと向かう。
つがいとなるべき相手の、肉体と想いを打ち砕く為に。

ξ#゚⊿゚)ξ「全く……内藤はレディファーストって言葉を知らないのかしら」

(#^ω^)「残念ながら、ツンが使いすぎたせいで売り切れだお」

ξ#゚⊿゚)ξ「……そう」

――ツンと呼ばれた巻き髪の少女は大きく飛び退き、其の巻き髪を高速回転させ始める。
対する内藤と呼ばれたにやけ顔の少年は、にやけた眼を見開き、射貫かんばかりに睨みつける。

ξ ⊿ )ξ

( ω )

互いに、理解した。
かつての時には既に戻れぬのだと。
もう二度と、其の手を握り合う事は無いだろう、と。

そして――素直になれなかった事を後悔する余地すら無いのだと。

息を吸い込むのも、僅かばかり吐き出して、呼吸を止めるのも同時だった。
その耳には周囲の喧騒など聞こえてはいなかった。

⊂ξ ⊿ )ξ⊃「……」

⊂( ω )⊃「……」

同時に、両腕を化鳥の翼の如く伸ばし、上半身を前へと深く沈める。
そして――


ξ ⊿ )ξ「「光の――」」( ω )


⊂ξ#゚⊿゚)ξ⊃「「翼ァァァァァァァァッ!」」⊂(゚ω゚#)⊃


――声が、重なった。
人としての情を捨て去る様に、其の眼より涙が零れ落ちる。
だが、涙は爆発的な速度に置き去りにされ、霧散。

⊂ξ#゚⊿゚)ξ⊃「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」」⊂(゚ω゚#)⊃

やがて、距離は零に至り、激突せんとする直前――

ツンと内藤の真上――遥か上空で繰り広げられていた、将棋部とチェス部の威信をかけた勝負に決着が付いた。

('、`*川「――チェックメイト」
  _
(#゚∀゚)「なん……だと」

チェス部部長ペニサスのルークが、将棋部部長ジョルジュの玉将を捕らえたのだ。
そして、ジョルジュが息を継ぐより早く、ペニサスの身体は更に上へと跳ね上がり――

('、`*川「そして、貴方の人生にもチェックメイト」

――自身の手に弄ぶ手駒をジョルジュへと向け、投擲した。
突き刺さる七枚の歩。そして、金、銀、桂、香――飛、角。
それらはジョルジュの死点を突き、穿ち、その身に落下速度を上乗せする。

('、`*川「……さよならは言わないわ」

そして、一際大きく振りかぶったペニサスが止めと言わんばかりに投擲したのは、盤上にて止めを刺したルーク。
大気摩擦によって赤く燃え上がるルークは、ジョルジョに衝突して尚、速度を衰えさせようとはしない。
  _
( ゚д゚)・;’、’、

ジョルジュの口内より血塊が零れ落ちるも、それは数千度にも到る熱により即座に蒸発。
既に紳士服は燃え尽き、その身は一糸纏わぬ姿。

掠れ、朧掛かった意識の中でジョルジュは思った。
一番早く生まれたからって部長にされた俺が勝てる訳無いじゃん、と。

彼が意識を手放すのと、其の眉が燃え尽きるのは奇しくも同時だった。

――ジョルジュの身体は、まるでコロニーの如く落下してゆく。
直下に存在するもの全てを破壊し、大地すらも抉らんばかりの勢いで。

誰もが、落下してゆく全裸の男に眼を奪われた。
手を止め、口を半開きにして、ソレを見つめていた。

ジョルジュは重力に引かれ落下する。
其の直下に存在したのは二人。
だが、ジョルジュの存在に気付いたのはただ一人。

⊂ξ#゚⊿゚)ξ⊃「トェェェェェェェェイ!」

⊂(#゚ω゚)⊃「トェェェェェェェェ――――ッ!?」

――既に元には戻れぬのだと、彼は知っていた。
この手が繋がれる事はもう二度と無いのだと覚悟していた。

それでも、身体は勝手に動いていた。
内藤の上半身が沈み、更に、肉体の限界を超えた力を以って加速する。

そして、彼の腕は彼女の腰をしっかりと抱き締め――

⊂ξ#゚⊿゚)ξ⊃「なっ!?」

(#゚ω゚)「そぉぉぉぉぉぉい!」

ξ゚⊿゚)ξ「きゃー」

――思い切り、落下する全裸の男の被害が及ばぬであろう戦闘区域の外側へと投げ捨てた。

○<キャー

( ^ω^)「……」

遠ざかる悲鳴を聞きながら、内藤は自虐気味に笑う。
彼は、自覚していた。

どんな結末だったとしても、自分は、彼女を屠る事など出来なかっただろう、と。
一度たりとも本気で殴れなかったのが其の証拠だ、と。

そんな事を考えながら内藤は仰向けに倒れ、空を見上げる。
そこには、

 川川 ヒュー
(0゚人 )

迫り来る、プリプリとした尻。
大気摩擦により赤く焼けたそれは、まるで熟れ過ぎた柿の色をした桃の様。

ソレが既に至近まで迫っているにも拘らず、内藤は動こうとしなかった。
その眼に宿るは覚悟。自身の命を引き換えにしても、迫り来る尻を受け止めんとする覚悟。

( ^ω^)「ハァァァァ――」

何の為に、などと問うのは愚問であろう。
内藤は、胸に覚悟を抱き、組んだ両手を躊躇う事無く突き上げる。

( ^ω^)「せいやー!」

(0゚人 )「ブスッ!」

その先端は尻たぶを掻き分け――其の奥、菊門に、触れた。
接触の瞬間、落下の衝撃と共に、数千度にも到る高熱が内藤に襲い掛かる。

(;^ω^)「ぬぐぐっ……何て汚い尻だお!」

それでも尚、内藤は歯を軋ませながらもソレを耐え続ける。
膝が曲がり、背が地面にめり込み始めているにも拘らず、弱音が其の口から漏れる事は無い。
五ミリ、一センチ、と指先は菊門に抉り込み、第一関節迄入り込んだその時――

(;^ω^)「おうふ!」

――指が折れ、其の先端が菊門より抜け落ちた。





しかし――


――其の足掻きは無駄ではなかった。


(0゚人 )「ぶびっ!ぶぶぶぶぶぶぶっ!」
  川
((  ))

開かれた菊門より溢れ出すメタンガス。
その推力は落下の勢いを相殺し――それどころか、屁の推力によって尻は上昇し始めた。

( ^ω^)「……」

金木犀に似た色のガスに包まれて、零距離放屁によって涙目となった眼で内藤は空を見上げ続ける。
彼の視線の先、灰色掛かった空には一つだけ星が瞬き――

o<キャー!

(;^ω^)「お……」

――否、それは星ではなかった。
星に見えたそれは、ツンと呼ばれた少女。

o<キャー!

(;^ω^)「どないすんべ……」

この時、内藤が胸に抱いたのは絶望。
身体は尻との接触によって相当負傷している。
しかも、

\川^o^)/\ノハ^o^)/川д川\(^o^从/\(^o^W|/

尻と云う危機が去った瞬間、女子達が自分を取り囲み始めていたのだ。

(*^ω^)「……」

大の字に寝転がったまま、内藤は眼だけを動かして周囲を見回し、勃起した。
取り囲む女子全員が褌と云う際どいにも程がある格好なのだから、仕方が無いだろう。
内藤だって男の子なのだ。

だが、勃起したところで状況が好転する訳が無い。
むしろ、変な所で体力を使っている分、悪化したと見てもいいだろう。

――しかし、だ。
神は、内藤を見捨ててはいない。
絶望するには余りに早すぎると告げていた。


\川^o^)/\ノハ^o^)/(・川д川・`) \(^o^从/\(^o^W|/


\川^o^)/。・ ゚ ・ 。ヾヽ(・∀川д川ω・`)ノシ 。・ ゚ ・ 。\(^o^W|/


――その二人が現れた事に、誰一人気付く事は無かった。
気付く事無く、無音のままに屠られた。


\川^o^)/ヾヽ(・∀・|川゚д)´・ω・`)ノシ\(^o^W|/


取り囲んでいた女子達のリーダー格であろう、長髪の女性が二人の存在に気付いた時――


。・ ゚ ・ 。ヾヽ(・∀・(д゚;川´・ω・`)ノシ。・ ゚ ・ 。


――既に遅し、内藤を囲む包囲網は崩壊していた。

( ・∀・)「つーかさ、ツンの奴メッチャ飛んでね?」

(´・ω・`)「だねぇ。あの馬鹿の事だから力加減とか全く考えなかったんだろうね」

川;д川「ちょっ、ななななんですか!」

リーダー格の少女がうろたえるのも無理は無いだろう。
喧騒があったとはいえ、誰一人、悲鳴すら上げる事無く滅されたのだ。
ティウンティウンと云う音に気付かなかったならば、彼女もまた、無音のままに屠られていただろう。

( ・∀・)「なんですかって言われてもねぇ……なんなんだろうね、ショボン」

少女の傍で皮肉げな笑みを浮かべる少年は眼を細め、自身がショボンと呼んだもう一人の少年に答えを求める。

(´・ω・`)「僕らは其処で倒れてる腐れ縁の面を拝みに来ただけだし……ねぇ?」

ショボンと呼ばれた少しばかり嗜虐心を煽る顔つきの少年は、見た目に似合わぬ野太い声で答えを返した。
そして、二人揃って一歩踏み出し、歩き出す。

川;д川「ふふ二人とも待ってくらさい!」

後方からの静止を呼びかける声に、その歩みを止める力は無かった。
だが――小さく震える手で、裾を掴まれたとなれば話は別。
二人は、男として止まらざるを得なかった。

(´・ω・`) 「んー、どうするモララー?」

( ・∀・)「どうするって言ってもなぁ……このままでいいんじゃね?」

川;д川「こ、このままって……わひゃっ!」

裾を掴んだままの少女に構わず、再び二人は歩き出す。
少女もまた二人に引っ張られるように、早足気味に歩き出し――

川;д川「あだっ!」

――数歩も行かぬうちに転び、ハッピが捲れて褌一丁の尻が顕になった。
コケて尚、その手を離さなかったのは立派と云うべきであろうか。

それでも二人は足を止めない。
引き摺りながら、内藤の方へと向かう。

川;д川「とまってー!とまってー!」

(´・ω・`)「止まる理由が無いんだよね」

川;д川「お願いだから止まってー!」

( ・∀・)「……ティウりたい?」

川;д川「う、あう……」

モララーの言葉に少女の頬が引き攣り、その手から力が抜ける。
結果、少女は前のめりに突っ伏した。

川つд∩川「ひぐっ……ひぐっ……」

(;-∀-)「ハァ……」

(;´-ω-`)「……仕方ないね」

すすり泣く声に、二人は揃って頭を掻き、溜息を重ねる。
そして、やれやれと呟きながら、ぐずる幼子を宥めるように抱き起こす。

川つд∩川「ひぐっ……ひぐっ……」

( ・∀・)「さて、どうしようか」

(´・ω・`)「放っとくのもアレだし……おぶってく?」

( ・∀・)「お前頭いいな!」

そう言うが早いか、モララーは少女を背負い、走り出す。
ショボンもまた、背負われた少女の白い尻を凝視しながら走り出す。

川;д川「えっ、あっ、お……お尻触らないでくださいー!」

川;д(*・∀・)「ごめんきこえないー!」

(*´・ω・`)「本当に、白くてむっちりとしたいい尻だー!」

川;д(*・∀・)「全くもっていい尻だー!」

そして、二人は内藤の傍に並び立つ。
飄々とした表情で。
そのくせ、やけに真剣な目を内藤に向ける。

(´・ω・`) 「やあ内藤君。無様な格好だね」

川;д( ・∀・)「写メ取りたいトコだけど……困ったな、両手使えねえや」

川;д川「もう、お嫁にいけない……」

( ω )「……笑いに来たのかお?」

ふて腐れた様な内藤の声に、モララーは小さく首を振る。
そして、モララーは膝を付き、口を開いた。

川;д( ・∀・)「いいや。それよりさ、お前はツンをどう思ってるんだ?」

( ω )「……え?」

川;д( ・∀・)「分かりきった事だけどよ、好きか嫌いかだけでいい。答えろ」

唐突な、問いかけだった。
其の問いは、愚直と言っていいほどに、真っ直ぐだった。

だが、其の問いは愚直であったからこそ、内藤の心に突き刺さる。
故に、内藤は、生まれて初めて――

( ω )「ボクは……ボクは、ツンが好き、だお……」

――誰にも言った事の無い、必死に隠し通してきた本心を吐露した。
内藤は、モララーがわざわざ問うた意味を、二人がこの場にいる理由を理解していた。

( ;ω;)「ボクは、ホントに、ホントに、彼女が、好きで……」

だからこそ、内藤は全てを吐き出した。
涙と鼻水で声にならぬ声で、心中の全てを吐き出した。

(´・ω・`)「じゃあさ――君は、どうしたいんだい?」

そして、ショボンが問う。
最初から答えなど分かりきっているであろう事を。

( ;ω;)「ボクは……ツンに好きだって言いたいお!」

ツンとの初めて出合った時の想いを覚えているから。
初めて、ツンと手を繋いだ時の手の温もりを覚えていたから。

だからこそ――内藤は身を起こし、叫んだ。
幼き頃の自我ままならぬ時だったとしても、その時、ずっと手を繋いでいたいと思ったからこそ。
その想いが、未だ色褪せていないからこそ、内藤は、喉が裂けんばかりに叫んだ。

( ;ω;)「結末が悲劇だって構わないお!ボクは!この思いを伝えて――ツンと生きたいんだお!」

熱き魂の咆哮。
それは、男の魂を揺さぶる叫び。

川;д( ・∀・)「おいおい……最高じゃねえか。コイツは手を貸さざるを得ねえな」

(´・ω・`)「ああ、最高にキラッ☆だったね。こんなもの聞かされちゃ、全力で応えるしかないよ」

兄貴と呼ばせんばかりの熱きヴォイスは、友の胸に確かに届いた。
そして、友の魂を揺さぶり、漲らせた。

( ;ω;)「ふ、二人とも……」

(´・ω・`)「一応言っとくけどさ、僕らの手を借りるんだから、悲劇なんて認めないよ」

( ;ω;)「で、でもどうやって……」

川;д( ・∀・)「やっぱお前馬鹿だな。上によ、丁度良いのがあるじゃねえか」

笑顔のままモララーは天を指差す。
そこにあったのは――

(0゚人 )「ぷすっぶびびびびびびびびびび!」
  川
((  ))

――緩やかに加速し始めた尻。
こんがりと小麦色に焼けた尻。

川;д( ・∀・)「俺らの力でお前をあの尻まで届けてやんよ!」

(;^ω^)「……」

内藤は唖然とした表情のまま固まる。
視線の先に在る尻は、既に数十m以上上に存在し、今尚上昇を続けている。
其の高さは、生身でどうにかできる高度ではない。

(;^ω^)「いや、どうせなら走って追いか(#´゚ω゚`)「ンアァァァァァァァァッ!」

――怒声が、内藤の言葉をかき消した。

(;^ω^)「……え?」

(#´゚ω゚`)「雷ッ!」

内藤が振り向いた時、既にショボンは助走によって得た加速を、蹴り足の先端に集約。

(#´゚ω゚`)「獣ッ!」

(;^ω^)「おまっ……まさか……」

其の爪先は地に食い込み、反動を乗算。
そして――

(#´゚ω゚`) 「シュゥゥゥゥゥゥト!」

(;゚ω゚)「ギャー!」

不可視の速度まで達した蹴り足によって、内藤は天を舞う。
だが――大地より其の様を見つめる友の表情に安堵の表情は無い。

(´・ω・`)「んじゃ、モララーの番だけど……もしかしてそのまま行くの?」

川д(*・∀・)「当然!堂々と生尻触れる機会なんてそうそう無いからな!」

(´・ω・`) 「いいなぁ……僕も生お尻さわさわしたいよ……」

川д( ・∀・)「お前もいつか触れる日が来るって……おじょーちゃん、ちょっと飛ぶけど我慢してねー」

川д川「……と……ぶ?」

モララーに背負われた少女は、少しばかり放心していた。
内藤が天を舞った事により、コレで開放されるだろうと云う安堵があった。

そして、自分の尻について熱く語られている会話を聞きたくなかった。
だからこそ反応が遅れた。

彼女が我を取り戻し、モララーの言葉の意味を理解した時――

(#´゚ω゚`)「ヴォルカニック!ヴァイパァァァンァァァッ!」

モララーの靴裏はショボンの体ごと突き上げる拳に乗り――

川д(*・∀・)「うっひょー!あーいきゃーんふらーい!」

川;д川「ひゃぁぁぁぁぁぁぁ!おかぁさぁぁぁぁん!」

その身は天へと向け、加速した。

――重力に抗い、天に向かう其の様は、人の限界を弁えぬ愚かな行為に映るかもしれない。
だが今、彼らは未来を創り出そうとしている。
人の身のままで、悲劇を打ち破らんとしている。

(#;ω;)「尻がヒリヒリするお……ショボンめ……」
  川
((  ))

――限界など、知った事ではない。

川;д(*・∀・)「うっひょぉぉぉっ!たっけぇー!」
  川  川
((     ))

――出来る出来ないではない。

(   ´・ω) 「あいつら……無茶しやがって……」

――やると、決めたのだ。


(;^ω^)「あ……」

――先行する内藤の速度が、眼に見えて低下し始めた。
その身体は、足掻きも空しく重力の鎖に囚われる。

(#^ω^)「届けお!届いてくれお!」

それでも内藤は遥か遠くの尻へと向けて手を伸ばす。
決して届かぬと知りながら。

速度は――零に到る。
訪れたのは、一瞬の無重力。

(#^ω^)「ボクは!ボクはツンを――」

停滞の後――落下。停滞は、一瞬だった。
だが、其の一瞬は内藤と後を追っていたモララー+αの距離を縮め――

川;д(*・∀・)「内藤ー!おいすー!」

(;^ω^)「も、モララー!?」

川;д川「怖いぃぃぃ!地面がないぃぃぃぃ!」

――モララー達の勢いが失われるより先に、届かせた。

川;д( ・∀・)「俺からのプレゼント――受け取ってくれよ!」

(;^ω^)「プレゼ――って、ちょっと待てェェェッ!」

川;д( ・∀・)「ああん、聞こえんなぁ!逝ってらっしゃい星間飛行!」

内藤の制止を聞くより先に、モララーは内藤を蹴り上げる。
更にその身は翻り、自身に与えられた上方向への推力を余す事無く蹴りに乗せ、内藤に譲り渡す。

そして――

(;゚ω゚)「イタッ!マジイタッ!ちょっ!死ぬ!」

川;д( ・∀・)「聞こえん!覇山!天昇脚!」

(;゚ω゚)「ンアァァァァァァァッ!」

全力で放たれた最後の一撃は、内藤の身を大気の壁にぶち当てるほどの加速を生み出した。


――内藤は、昇竜の如く天を昇る。
友の想いを無駄にせぬ為に。
そして――自身の願いを叶える為に。

(# ω )「あいつら泣かす……絶対泣かす……」

爆発的な加速によって、尻は既に目前――

そして――

(0゚人 )   (゚ω゚#)
  川        川
((  ))   ((  ))

遂に、追いついた。


だが――


(# ω )「なっ……」

川;д(;・∀・)「チィッ……」

(   ´・ω) 「モララーいいなぁ……」

内藤の手は、尻に、届かない。
僅か数十cm。たったそれだけの距離が、余りに遠い。
無限と思えるほどに。

それでも――

(#゚ω゚)「待てコラ尻ぃぃぃぃぃぃぃっ!」

川;д(#・∀・)「そこの尻ッ!何でもしてやるからそいつを――内藤を、助けてやってくれッ!」

(   ´・ω) 「僕も、あの色白むっちりお尻さわさわしたいなぁ……」

それでも、諦めぬ者がいた。
だから、届いた。
  _
(0゚人 )「……エロ本十冊で手を打とう」

願いは、届いた。

川;д(#・∀・)「任せろ!ソイツんちから十冊でも二十冊でも持ってけー!」
  _
(0゚人 )「合点承知!そこのお前、内藤って言ったかッ!手を伸ばしやがれッ!」

(#゚ω゚)「ちきしょぉぉぉぉぉぉぉぉっ!我が家の全部くれてやんよぉぉぉぉぉっ!」
  _
(0゚人 )⊂(゚ω゚#)
  川      川
((  ))  ((  ))

――余りに遠かった其の距離が、零となった。
天を昇る二つの煌きは一つになった。
  _
(0゚人 )「おい内藤とか言ったか!俺は何をすればいい!?」

(#゚ω゚)「あの星へ……ツンの所までボクを届けてくれお!」
  _
(0゚人 )「OK!飛ばすぜ!」

内藤が跨るのを確認するや否や、尻は自身を大きく振り、進路を星へと向ける。
そして――ノズルが火を噴き、其の姿は遥か彼方へと消えた。


川д( ・∀・)「さーて、後はお前次第だぜ……」

(   ´・ω) 「触らせてって言ったら、触らせてくれるかなぁ……」

川д川「あ……吐きsあqwせrtfぎゅhじこlp;@」

川д(;・∀・)「んあぁぁぁぁぁ!」

(   ´・ω) 「あれ、モララーどうし……」

ζ(゚ー゚*ζ「ショボン君、おいのちちょーだい!」

(  ´・ω・)「え?」

ζ(゚ー゚*ζ「えいっ!」

ショボンは、何をされたのか、理解できなかった。
柔らかい何かに視界を阻まれ、呼吸を遮られ、苦しい筈なのに、何故か幸せな気持ちで意識を失った。

――金木犀に似た色の飛行機雲が天を割る。
尻は大気の壁を突き破り、摂理からも解き放たれ、駆ける。

視界に映る世界と音は、理より外れた世界。
形は輪郭を失い、音は金切音にも似た轟音が支配する世界。

それでも。
熱く滾る胸の鼓動は現実の内に在る。
視線の先にあるツンの姿は、確かな存在のままに在る。

・<キャー!
  _
(0゚人 )「ぷぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」

(#゚ω゚)「ツン……」

二人の眼は星しか映してはいない。
阻む物の存在しない空で、重力の鎖から解き放たれ、自由となったからこそ。
  _
(0゚人 )「この調子なら、あと数分で――」

だから、気付かない。
雲間より二人を見つめる存在を。

('、`*川「何か事情があるみたいだけど……」

――其の呟きが漏れたのは、二人より遥か上の雲上。
彼女の両腋に取り付けられたブースターより散るは、黄金色の粒子。
両手、その指の間に挟まれているのはチェスの駒。

('、`*川「倒した人が元気にしてるってのは、とっても不愉快ね。だから――」

やがて両腕が掲げられ、

('、`*川「――今度こそ死になさい」

呟きと共に六条の閃光が放たれた。
  _
(;゚人 )「――!?」

全身の毛が逆立つような威圧に、尻全体が鳥肌立つ。
咄嗟に尻全体を振り、大きく軌道をずらした瞬間――

(;゚ω゚)「いきなり何を……おぉぉぉぉぉっ!?」

――雲が穿たれ、二人のいた場所へと閃光が降り注ぐ。
  _
(;゚人 )「コイツは……ペニサスかっ!」

彼らは失念していた。
尻を一度射落とした――魔弾の射手の存在を。
  _
(;゚人 )「Fack!」

(;゚ω゚)「ノンノンノン!Fuck!」
  _
(;゚人 )「Fuck!」

(;゚ω゚)「Ok!」

止まぬ閃光の中を、内藤の指示と己の勘を頼りに尻は舞う。
ノズルが一門しか無いとは思えぬ機敏さで、ひたすらに突き進む。
  _
(#゚人 )「ヒアウィーゴー!ハッハァー!」

そして、重力に引かれる恐怖に臆す素振りすら見せず、垂直に急降下。
後、サイロ郡の隙間を縫い、時には牛舎の中を潜り抜けて、立て続けに降り注ぐ閃光を避け続ける。

('、`#川「このクソ虫共が――」

初弾で仕留められる。
そう確信していたが故に、毒吐くペニサスの顔には明らかな苛立ち。

が、其の表情は一瞬。

( 、  川「――っと、私はあんな女とは違う。あんな我が家の恥とは、違う」

自身に言い聞かせ始めた時既に、其の顔に残されたのは能面の様な表情。
今この時彼女の脳裏をよぎったのは、十近く歳が離れているにも拘らず、自身と瓜二つと称される姉の顔。感情を自制できぬ、愚かな女の顔。

( 、  川「あの人も言ってたわ。私は――下らない存在なんかじゃないって」

陰鬱とした感情が、姉と称する事にすら嫌悪感を覚える存在への昏い憤りが、ペニサスの中で膨らむ。
呼応するかの如く、腋に取り付けられたブースターから漏れる黄金の粒子は勢いを増していく。

( 、  川「あの人は、私を認めてくれた。力をくれた」

呟きと共に、その身は後方に倒れ上下逆転。
重力に身を任せ、自らが穿った雲の穴へと滑降していく。
やがて、其の身は雲を抜け――

(;゚ω゚)「あれが噂のハチワンダイブ!」
  _
(;゚人 )「絶対違う!」

川 。`。)「だから――私は、あの人の言葉を証明する」

――ペニサスの両の眼は、二人の存在をハッキリと捉えた。
視線を逸らさぬままに彼女の身体は翻り――

(;゚ω゚)「つか……あいつも空㌧㌦!」
  _
(;゚人 )「WDS(WakigaDriveSystem)だ!」

⊂(゚、 ゚ 川⊃「だから、貴方達を逃す訳にはいかないの」

両腕はまるで主翼の様に横に伸び――

(;゚ω゚)「kwsk!」
  _
(;゚人 )「ウチの学校の基地外が作った、腋臭を動力源とした飛行装置だよ!」

(;゚ω゚)「把握!」

⊂( 、 #川⊃「だから――」

――言葉を切ると共に、腋より噴出したのは黄金の炎。
腋より放出される炎は大きく広がり、腕を支えとする黄金の翼を形成する。

⊂(゚、 ゚#川⊃「今この時――空に在るのは私だけでいいッ!」

そして――ペニサスの身体はそれ自体が魔弾と成った。
  _
(;゚人 )「やべえッ!」

(;゚ω゚)「うおッ――!?」

内藤が感じたのは、自分のすぐ傍で大気が消失した、としか喩え様の無い感覚。
恐ろしく静か、且つ、苛烈な一閃。

思わず身を屈めたのは、まさに幸運。
尻は急降下していたが、それでも、身を屈めていなければ、ペニサスの一撃は内藤を掠め、頭蓋を粉砕していただろう。

⊂(゚、 ゚#川⊃「――」

内藤達の遥か先で、ペニサスが大きく旋回。
存在は遥か遠くに在ると云うのに、殺気の篭った視線は内藤に深く突き刺さる。

が、

(#゚ω゚)「……どけお!」
  _
(#゚人 )「人の恋路を邪魔する奴ァ、馬に蹴られて死んじまえってなッ!」

それでも、二人の心は揺るがない。
掠れば身を千切り、直撃すれば身体に風穴を穿つであろう不可視の一撃を目の当たりにして尚。

二人の眼はペニサスを映す。
だが、其の姿より僅かに後方、

ξ ⊿ )ξ「……」

慣性を失い、緩やかに重力に引かれ始めたツンの姿が心を占める。
  _
(#゚人 )「内藤、奴に勝てると思うか?」

(#゚ω゚)「勝てる勝てないじゃねえお。勝たなきゃならないんだお!」
  _
(#゚人 )「そうか……なら、限界って奴を超えてやろうかね!」

尻の声は、内藤へと届かない。
今までより一際高いノズルの咆哮が、その声を掻き消した。

⊂(゚、 ゚#川⊃「貴方達は汚点――」

ペニサスもまた、羽ばたく様に腕を振った後、加速。

惹かれ合うかの様に、超速度の存在が互いを別つ距離を貪り、喰らい尽くす。
距離は辛うじて様相を目視できる距離なれど、其の距離は至近と言って過言ではない。
  _
(#゚人 )「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

⊂(゚、 ゚#川⊃「地を這っているのがお似合いなのよッ!」

そして、距離がメートルにして1000を切った時――尻が、ブレた。
  _
(#゚人 )「コレが――」

ノズルごと尻自体が激しく縦横無尽に振られ、尻たぶが大気と打ち合い鞭打に似た音が打ち鳴らされた。
破裂音の多重奏が激しくなると共にブレは広がり、尻の輪郭を朧へと変え――
  _
(#゚人 )「――俺のとっておきだッ!」

――雄雄しき叫びと共に、尻から吹き出したのは紅蓮。

(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「質」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「量」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「を」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「持」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「つ」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「残」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「像」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「ッ」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「!」

――作り出されたのは、ペニサスの視界を埋め尽くさんばかりの残像。

⊂(゚、 ゚#川⊃「ッ!?」

予想外の出来事に、ペニサスの顔に驚愕が浮かぶが時既に遅し。
目標を見失った彼女が穿ったのはいくつかの残像のみ。
尻――そして内藤は其の後方。

ξ ⊿ )ξ「……」

彼らが追い続けていた、ツンの、目の前。

(#゚ω゚)「ツンッ……ツンッ!」

沸き上がる感情に、内藤の瞳は潤み、視界は滲む。
それでも、確かに其の眼は映す。
大切な人の姿を。

そして、擦れ違う瞬間、

(#゚ω゚)「ツーン!」

ξ ⊿ )ξ「……」

内藤の腕は、ツンを捉えた。
強く、抱きしめた。

確かな暖かさに胸は安堵に満たされ、届く胸の鼓動に涙腺は崩壊。
尻の上で、声にならぬ声で、内藤はツンの名を呼ぶ。

( ;ω;)「ツグッ……ヅンッ……」
  _
(# 人 )「内藤……お前とは、ここでさよならだ」

( ;ω;)「………お?」

直後、余りにも唐突に、内藤とツンは宙を舞った。
振り落とされたのだ、と内藤が気づいた時、其の身体は既に重力に引かれ、自由落下を始めていた。

( ;ω;)「お……おぉぉぉあぁぁぁぁっ!」
  _
(#゚人 )「こっからはお前の仕事だ!俺は俺の戦場に往く!」

( ;ω;)「お……お!」
  _
(#゚人 )「……」

小さくなっていく内藤達を、尻は見てはいない。
振り落とした瞬間より、一度は敗れた仇敵を睨み続けている。

⊂(゚、 ゚#川⊃「……」

ペニサスもまた、一度は倒した相手を睨む。
互いに、相手の技量は把握している。
瞬きほどの時間すら、敗北に直結する敵なのだ、と。
  _
(#゚人 )「さぁて……あと一回、いけるか?」

――そう呟く尻のノズルには裂傷。
生身のまま空を駆け、死荷重を背負ったまま、限界を超える挙動を生み出した代償。
だが、ソレを気遣おうと、自身を労わろうと云う素振りを見せようともしない。

この時、尻の中に在るのは一つの想い。
痛覚すら麻痺させる、強い、想い。

尻は、生を受けて以来、初めて『勝ちたい』と心から思った。
内藤を守らねばならぬ、と云う理由ではない。
もっと独善的な、子供の我が儘にも似た傲慢な理由。

自身が空を飛ぶ以外に何の取り得も持たぬと知るが故に。
この空が、自分以外の領域である事が許せぬと気付いてしまった。

他者から見れば、たったそれだけ?と言われるであろう理由。
だが、其れは尻にとって命を賭すに十分過ぎる理由であった。

⊂(゚、 ゚#川⊃「あの人の期待を、裏切る訳にはいかないの」

――ペニサスの両腕は、WDSから放たれる炎によって焼け爛れていた。
ハッピの下の素肌もまた、熱により夥しい数の水疱が生まれ、破れたソレより汁が滴り落ちる。

それだけではない。
理を超えた速度は、只でさえ脆弱な彼女の身体を確実に破壊している。
それでも尚、鬼迫と称せるであろう威圧は、僅かな衰えすら見えない。

胸の内で熱く滾るは一つの想い。
執念――否、怨念にすら到る其の想いが彼女の心を支配し、痛みすらも気力へと変えていたのだ。
  _
(#゚人 )「……」

⊂(゚、 ゚#川⊃「……」

――申し合わせたかの様に、全く同時に、二人は閃光と化した。
皮膚を擦り合わせる距離で擦れ違い、次の瞬間には遥か彼方まで別たれる。
数度繰り返された後、接触寸前、絡みつく二匹の蛇の如き二重螺旋を描きながら急上昇。

やがて二重螺旋の先端は大きく別たれ、互いに旋回し――
  _
(#゚人 )「出力ッ!全ッ!開ッ!」


(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「質」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「量」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「を」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「持」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「つ」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「残」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「像」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「ッ」
(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )(#゚人 )「!」


⊂(゚、 ゚#川⊃「――貴方だけが出来ると思わない事ね」


(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川「質」
(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川「量」
(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川「を」
(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川「持」
(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川「つ」
(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川「残」
(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川「像」
(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川「ッ」
(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川(゚、 ゚#川「!」


――創り出されたのは、残像による二つの編隊。
向かい合った時間は刹那。
最高速に到った二つの群体の距離は既に零。
  _
(#゚人 )「おぉぉぉぉぉぉぉっ!」

⊂(゚、 ゚#川⊃「んぁぁぁぁぁぁぁっ!」

激突の瞬間、幻像が幻像へと喰らいつく。
朧が朧を消し去り、現である本体もまた、敵の幻像を掻き消し続け――


そして全てが衝突し、朧全てが虚無へと還った時――


――ただ一つの現のみが空に残った。

六話後編に続く

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ひちょりまちょめ

Author:ひちょりまちょめ
コテ酉無しです。
でも一話の最後見たらすぐ分かる仕様です。

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