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从 ゚∀从達 は闘争の中でこそ輝くようです 第八話

――人数で比べれば一割にも満たない、たった五人の紳士。
いくら強くても、人である事は変わらない。
だから圧倒的兵力差には、喩え獅子であろうとも子猫同然。

数の暴力とはそういうものだと思っていた。そう信じてやまなかった。
今までの人生で、圧倒的な差から逆転した人なんて、漫画やテレビの中以外にはいなかったから。

だから、私はずっと、勝者の側にいられるように振舞ってきた。
ありとあらゆる所で、多数派であろう側を選んできた。自分の意見を押し殺してでも。
それが正しい事だと、敗者にならない秘訣だと思っていたから。

きっと私は、ありえない事。と、それの可能性から除外していたのだろう。
歴史上で何度も世に現れた“怪物”や“英雄”と称される存在を。

それをに気づいた時、全てはもう手遅れで――


最終章乃四『――――ここまでミセ*゚パ)リがお送りしました――――』


 一瞬。
ほんの瞬きほどの時間。
全ての音が止んだ。

直後に訪れたのは暴風。
それは、たった二度で全てを覆した突撃の余波。
暴風は砂塵と雪を巻き上げ、校庭の中央に佇む五人の姿を朧にする。

(  д )「――――」

 呟かれた声は傍に在る者にすら届かない。
しかし、項垂れた頭が、剥いた歯を軋ませる表情が、彼らの心境を言葉以上に詳細を語る。

( e )「――――」

 敢えて述べるならば、失望。そして後悔。
圧倒的な物量の差。それと対峙した彼らの心は歳相応に、若さ故に奮い立ってしまった。
コレならば全力を出しても構わぬのではないか、と。

(  _ゝ )「――――」

 が、その結果がコレだ。
隙だらけの姿を晒す彼ら以外に、この場に立つ者はいない。
観戦していた教員を含む全ての者が、彼らを見上げるか、地面と接吻を交わしている。

( <_   )「――――」

 まるで、弱い者虐めではないか。
全力を出す事がそこまで罪であるというのだろうか。
今の心境で、この状況を直視出来る訳が――

('A')「……」

――ひとり、顔を伏せぬ者がいた。
視線は地面など、ましてや自身の靴などに向けられてはいない。
その両の眼は、ただ己の右方四十三度にある、程よき張りと艶を持つ尻を見つめていた。

 やがて風は止み、砂塵は元の場所へと還り、舞い落ちる雪は、ようやく地に降り積もる事を許される。
そして、雪の舞い落ちる音すら耳に届きそうな、静寂が訪れた。

紳士達は、自身に降り積もる雪を払い除けようともせず、ただ積もるに任せる。
己の罪が天より舞い落ちる純白で清められる事を願うかのように。

('A')「……」

ドクオだけが、祈らず、願わず、只、事実を受け止めた。
全てを受け入れ、背負わんとする覚悟を抱いた表情のまま。

ドクオの紳士服に舞い落ちた雪が、しゅう、という音を立てて蒸気と化した。
この場に於いてただ一人、彼はその体に熱を持ち続ける。

先程の戦闘の余熱は当に冷め切った。
彼の体に熱を持たせるは、紳士としての矜持を支える熱き心。
冷め切った、碌に動けぬ体で主賓を迎えるなど、在ってはならぬのだ。

('A')「……待たされるのもまた紳士の嗜み、といった所でしょうか」

 呟きと共に、その頬が緩む。
ドクオは最愛の人を待つかのような、慈しみを含んだ不細工な笑みを浮かべていた。

――彼だけが知っていた。
まだ何も終わっていないと云う事を。
この闘争に幕を下ろすに相応しいのは、己や盟友達でない事を。

 故に、彼は顔を下ろそうとはしなかった。
レディに情けない表情を見せるなど在ってはならぬと信じるが故に。


~~~


从; ハ从「――――ッ!」

――筋肉が引き攣り、獣の咆哮の如き声が腹の底から漏れ出る。
この不愉快極まりない感覚が何であるかを、ハインリッヒは理解する事が出来なかった。
それを痛みと呼ぶ事を、瞬時に思い出せなかった。

从; ハ从「――ッ!」

 彼女は全てを忘れようとした。
友を失ったという事実が、余りに辛過ぎたから。心の傷が余りに深すぎたから。
だからこそ、自我を曖昧にすることで、記憶を心の奥底に封じ込めた。

从; ハ从「――!――――!」

 が、今この時、ずっと忌避し続けてきた痛みは菊座に生まれてしまった。
久方振りの激痛は、忌避し続けたが故に耐性を失った彼女の心の枷を打ち砕き、意識を侵し始める。
やがて、精神はそれに満たされ、掻き乱され、結果――

从; ハ从「ふもっ……!? ふ、ふもぉぉぉっ!」

――ハインリッヒは、抑圧されていた力の奔流に、いとも容易く巻き込まれた。
髭は彼女の四肢の自由を奪い去り、光を、音を、世界を奪い去らんばかりに包み込む。

たった一枚、彼女自身の身より生まれた薄布の遮り。
それは、一ミリにも満たぬ薄衣でありながら、彼女を外界と隔絶する。

(//////)

生まれたのは黒色の繭。
ハインリッヒを外界から切り離す、薄っぺらい一枚の幕。

繭は、小さな鼓動を繰り返す。
まるで、生き物であるかのように。

その中で、小さな世界で彼女は夢を見る。
あらゆる感覚と感情が入り混じり、混沌としたの胎児の夢を。
自身が、造り替えられている事に気付かぬままに。


~~~

:('A'): ブルッ

――景色全てが白に染まる頃だろうか。
黄色が、白を汚し、溶かした。

寒くなると近くなる。しかしこの場を離れては申し訳が立たぬ。
故に、ドクオは選択したのだ。

やがて、汚された白が新たな白に覆い尽くされた頃だろうか。
白色の中に、相容れぬ色が静かに舞い降りたのは。
 _,
( 'A')

ドクオはそれを目にした時、あ゙?と紳士らしからぬ言葉を吐いた。
その感情は、嬉野の風俗で若い子をお願いしたにも拘らず、下腹の出たオヴァが来た時の感情と似ていた。
呻きにも似た声で、ようやく異質の存在に気付いたか、他の紳士たちも顔を上げ――
 _,
(’e’)「……」
 _,
( ゚д゚ ) 「……」
  _,
( ´_ゝ`)「……」

(´<_` )「ふむ、裾から覗く生足首……良いな」

―― 一名を除き顔をしかめた。

「     )´- _-」v

 無音のまま着地したのは一人の女性。
小豆色の小袖に身を包んだ、心は乙女と言い張る中年に差し掛かった女性。
その肩に気絶した中年男性、ロマネスクを抱えたまま、ゆるり、と辺りを一瞥。

(  ∩  )「- _」-ノv やうやう諸君。私の暇つぶしに付き合ってはくれまいか?『

そう言いながら、彼女――シューは片頬を歪めて笑う。
態度、口調、雰囲気、その全てが緩いのに、その笑みだけは厭なものを予感させる。
笑みは、心の隙間に入り込み、内より喰らい尽くす悪魔の表情を連想させた。

が、紳士達はその程度で、予感などで表情を崩すような、柔い心など持ってはいない。
弱さや脆さを簡単に他人に晒す者が紳士を名乗ったとして、誰が肯定するだろう。
そのような者など、半端者、成り損ない、そう揶揄され嘲笑の対象としか成り得ない。

この場に在るのは若輩なれど、日々精進を積み重ねる紳士の魂を抱きし者達。
名誉なき汚名を被る事を由とする者など、この場にある筈も無く。
故に、弱さを噛み殺し、両の眼に力を込める。

(’e’)「……チェンジ」

紳士達の中で、最初に口を開いたのはジョーンズ。
吐かれたのは、デリヘルに誰よりも精通しているが故に、自然と出た言葉。
それは、強硬なまでの拒絶の意思。裏返せば、恐れを押し殺したが故の不自然な強張り。

「 ∩   )´- _」-ノv おやおや悲しいねぇ、君たちは年上のお姉さんはお嫌いなのか 

(´<_` )「いや、俺のストライクゾーンには入っている。が……」

( ´_ゝ`) 「分かるでしょう?貴女は、本来ならこの場にいないはずの人間だ」

次に言葉を吐いたのは、流石兄弟。
共に眉間に皺を作り、嫌悪感を露にした眼でシューを見る。
彼らは感じている。母親の怒声を至近で喰らった時の余韻を思い出させる、肌のヒリつきを。

( ゚д゚ ) 「……そのまま立ち去ると云うなら見逃してやらんでもない」

ミルナだけは普段と変わらぬような尊大な物言い。
鈍感と云う訳ではない。かといって愚かと云う訳でもない。
彼は確かに言い様の無い不安感に襲われた。

が、その感情を拒絶した。錯覚なのだと自身に言い聞かせた。
幼少の頃より紳士と云う存在に憧れを抱いていたが故に。
紳士と認められた今尚、その時抱いた心は些かも曇りを見せぬが故に――

(#゚д゚ ) 「しかーぁしっ!」

――顕わにした感情は、憤怒。
引く事を脳裏に過ぎらせた眼前の相手に対する怒り。
それより何より、思わず片足を浮かせてしまった自身の弱さへの怒り。

(#゚д゚ )「そこより一歩でも踏み出そうものならばっ、

( ∩  + 」+)´ ̄_「)v……ぷひー

 気の抜けた音がシューの鼻から漏れた。
心底馬鹿にしたような、鼻で笑うの更に上行く音。

(#゚д゚ ) 「……馬鹿にしているのか?」

(∩    )´- _-ノvああす「まんこ」りゃ失敬

(#゚д゚ ) 「…………引き下がるならばよしっ!だがっ、そこから一歩でも踏み出すならば」 

(∩    )'  ̄_」「ノv  こう、かね?
       
 シューはミルナが全てを言い終えるより先に一歩踏み出し、草履の底を白に埋める。
返事が無いとみるやもう一歩。唖然とした紳士たちの表情を眺めながら更に一歩。
その足取りには恐れも躊躇いもやる気も無い。

(’e’)「どうやら無為な人生を歩んでらっしゃったようですね……」

( ´_ゝ`) 「……三歩までなら気の迷いかも知れんが、次は無い」

(´<_` )「次の一歩を踏み出す事は、陵辱フラグ成立と同義」

(#゚д゚ )「……」

紳士達はシューの行為を只の無謀と結論付けたか、その三歩を見なかった事とした。
選択はレディファーストとを由とする紳士故の矜持か、それとも単純な見下しか。

彼らの選択は、愚劣と呼べるだろう。
きっと、僅かにでも恐怖を覚えたと云う事実から、目を逸らした結果なのだろう。

もし受け入ていたならば。
その上で、シューを危険人物なのだと認識していたならば。
この時点で躊躇いなく武力を行使すべきなのだ、と理解出来ていた筈なのだ。

――彼らは、気付いていないのだろう。
自身らがつい先ほど打ち倒した者達の二の轍を踏もうとしている事を。
そして――ドクオの姿がその場から消えている事を。

その事実に誰も、違和を抱かない。
抱く程の余裕が無いと言うべきなのかもしれない。
この時既に、紳士達はシューに呑まれかけていたのだから。

(∩    )´- _-ノv ほうほう、う「ちんこ」離れ出来ない旦那を陵辱とな……ふふっ

シューは踏み出す事の意味を理解している。
足を進める事がどれ程の挑発行為となっているかを、十二分に理解している。
その足を前に出し、新雪に草履を埋めたなら、彼らは軍用犬の如き統制された動きでシューに襲い掛かるだろう。

しかし、だ。何を恐れることがある。
彼我の実力もまともに見抜けぬ者を、何故恐れねばならぬ。
己の間合いの内に在りながら、構えようとすらせぬ小僧共を誰が恐れようか。 

(∩    )´- _-ノv いいの?次で「四歩目」だよ?

(#゚д゚ ) 「出来るものならばやってみろ!容赦はせんぞ!」

ミルナの言葉にシューは頷きを返し、ゆるり、と爪先を浮かせる。
同時に、ミルナ、兄者、弟者、ジョーンズの四人が踵を浮かせ、重心を前へと傾ける。

(∩   ̄_「 )´- _」-ノv じゃあ、行かせてもらおうかな――

先に雪を踏みしめたのはシュー。
音もなく、静かに、その足は踏み込まれ――

( ∩   )lw´- _-ノvつ」「 まずは挨拶代わりの一発かな?

(; ゚д゚ ) 「ジョーンズ!」

――ミルナが叫んだ時、シューは既にジョーンズの懐。
左に手にした二本の鉤棍は振りぬかれ、彼の右脇腹を打ち抜いていた。

(;’e’)「えぇー、え゙っ……」

(     )⊂lw´- _-ノvつ」「まだまだいっくよーほしみ

ジョーンズが己の身に起きた事を理解するより先に、シューの草履は強く、雪を踏みしめる。
そして、ロマネスクの足を掴んだ右腕が、踏み込んだ右足を軸に体ごと回転。
加速し、唸りを上げる凶器は、
            (      )
             ∩彡
」「⊂(vWWWW|彡  ちょいやー

(´<_`;)「んなっ!」

(;´_ゝ`)「うおぉっ!」

咄嗟に屈んだ弟者の頭髪を掠め、受け止めんとした兄者を弾き飛ばす。
それでもロマネスクは止まらない。シューの体は更に回転し、
               ミ
」「⊂lwwww´-ノつ (     ) もう一丁!

ロマネスクを袈裟の軌道で弟者へと振り下ろす。

(´<_`;)「っと、予測どおり!」

だが、シューの二撃目は空を切り、地面と衝突したロマネスクは雪を巻き上げる。
弟者の眼前には、がら空きとなったシューの背中。

( ゚д゚ ) 「隙だらけだなっ!」

そしてシューを挟んで向かい側には、今まさに拳を振り下ろさんとするミルナ。
弟者の体は彼自身が意識するより先に動き出し、拳を突き上げる。

( #゚д゚ )「おぅらァ!」

(´<_` #)「喰らっとけェ!」

言葉と共に響いたのは硬質な音。衝突したのは二つの拳。
そして、二人の視界に在るのは、太腿まで露となった二本の足。

(# ゚д゚ )「「!?」」(´<_` #)

」「⊂|M、- ̄-)Λ 筋は悪くない。けど、少しばかり年季が足りないかな 
            ∪(     )
言葉の後、一拍の時間を置いて二本の足は翻り、旋を描く。

(´<_` #)「喰らうかっ――あ゙っ!?」

(# ゚д゚ ) 「侮辱するのも大概に――んごっ!?」

いくら意表を突かれたとは言え、言葉を吐き、そこから一拍を置いての一撃。
少なくとも、一秒以上の時間はあった。かわせずとも受けれるタイミングだった。
それを弟者とミルナはまともに喰らい、体勢を崩す。

(´∩_` ;)「!!!!!??!?!?!?!!?!」

(; ゚∩゚ )「!?!?!?!?!???!?!?!??」

弟者は肩、ミルナは腹に喰らったにもかかわらず、押さえているのは鼻。
顔に浮かぶは明らかな困惑。手の隙間から零れ落ちるは紅き滴り。

視ることに特化していたが故に。
エロスを活きる糧としていたが故に。
そして、まごう事なき童貞であったが故に。

二人は痛みすら忘れ、己の目を疑った。
四つの目は、刹那ほどの時間、大気に晒された何かを見てしまった。
両足を開くような蹴りの瞬間に、その付け根、最奥の茂み無きその場所に、目を奪われてしまったのだ。

( ∩   )lw´- _-ノvつ」「はいてないのを忘れていたな ……まあいいか、っと

シューは身体を軽く揺らして裾を直した後、掛け声と共に軽く地を蹴り、身を浮かす。
その場所を旋風が薙ぎ、裾の端をはためかせたのは、直後。

( ∩   )lw´-,_-ノvつ」「おうおう、若いなぁ

片頬を歪めながらシューはケラケラと笑う。
視線の先には、低姿勢で足を振り切った兄者。

(#´_ゝ`)「さっきのは痛かった……痛かったぞぉぉぉぉぉっ!」

地に顎先が触れん程の低さのまま、兄者は前方、シューへと向け疾走。
シューの草履が地に触れるより先に、彼女の身は兄者の射程圏内に捕らわれる。
同時に兄者の上半身は跳ね上がり、拳は雪を砕き、大気に軌跡を残しながら弧を描いた。

( ∩   )lw´- _-ノvつ」「ハッハァー!

(#´_ゝ`)「ッ!」

しかし、拳は届かない。拳圧がシューの髪先を揺らしたのみ。
兄者が間合いを見誤った訳ではない。
軽く突き出された鉤棍が兄者の肩を押し、間合いをずらしたのだ。

(#´_ゝ`)「まだだっ!」

「やられた分はやり返す。其れが私……いや、我らの性分でしてね」

兄者の雄叫びに呼応するが如き言葉が放たれたのは、シューの真上。
声につられてシューが真上を見上げれば、

( ∩   )lw´- _-ノvつ」「ほほう……

へ(#’e’)ヘ「因果応報と云う言葉の意味、身を以って知りなさい!」

そこには荒ぶる鷹の如き体勢のジョーンズ。
降下の加速、そして撓められた全身の筋肉の盛り上がりは、そこから繰り出される一撃の威力を容易く予想させる。

(#´_ゝ`)「我らと敵対した己の愚かさを身を以って知るがいい!」

更にはシューの正面より迫り来る兄者。
裂帛の気迫を纏いながらも、二の轍は踏まぬであろう冷静さをその瞳に宿している。
共に、一瞬でも迷えば、体に深き傷を残すであろうタイミングと勢い。

            (      )
               川
               ∩
」「⊂lwwww´-ノ彡  ほいやー 

が、シューは迷うことなく真上へとロマネスクを投擲。

(#’e’)「この程度で、私が止められるとでも――?」

ジョーンズがロマネスクを弾き飛ばさんとするが――その軌道が突如変化。
その手は空を切り、その目は、ロマネスクの裏にある影を見る。

(#’e’)「古臭い手を……」

(    )_-ノvつ」「古臭いかどうかは、身を以って知るべきかな――

シューの右手が掴むはロマネスクの右足。
大きく引き下げられたロマネスクは、再度ジョーンズを狙って横薙ぎに振り回される。

(#’e’)「当たりませんよ!」

ジョーンズの左掌がロマネスクに触れ、斜め下へと突き出しながら捻転。
同時に体は翻り、側転の要領でロマネスクを飛び越し、

」「⊂(-`lwwww|    ) うん、やっぱり甘い

(#’e’)「     

声を出す暇もなかった。
ジョーンズが声を出すより先に、シューの裏回し蹴りはジョーンズを捕らえ、地面へと叩き落す。
そして、ジョーンズが叩き落された先にはシューを追って飛び上がった瞬間の兄者。

(; _ゝ )「うほっ……」

(# e )「ガハッ……」

地面を揺らし、砂塵を巻き上げるほどの衝撃。
が、それに目もくれずに駆け抜ける者が一人。

(# ゚д゚ ) 「おぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

心苦しくない訳がない。駆け寄り、助け起こしたくてたまらない筈だ。
そのような気持ちを噛み殺し、ミルナは駆ける。
盟友の行為を無駄にせぬ為に。

( ∩   )lw´- _-ノvつ」「また見たいってか?この助平さんめ

(#*゚Д゚ ) 「ノゥ!コメントォォォォォォォォッ!」

着地の瞬間を狙ったミルナの拳が昇竜の如く、全身ごと跳ね上がった。
そして、シューの草履、その裏が拳の先端に触れる。

(;゚д゚ )「――――!?」

直後、ミルナの拳に伝わったのは、暖簾に腕押ししたような、気の抜けた感触。
大気の抵抗すら感じる速度で打ち出された勢いに対し、あまりに異質な感触。

(;゚д゚ ) 「この勢いを、殺しただとっ!?」

( ∩   )lw´- _-ノvつ」「人間やろうと思えば何だって出来るもんさね

シューはさも当然の事のように嘯く。

――彼女は拳を足裏で受けた瞬間、膝を曲げたに過ぎない。
しかし、要求される身体操作精度は、明らかに人外の領域。
彼女の言葉は、自身が人の姿をした怪物なのだと暗喩しているのだ。

そして、シューは再び上空へ跳ね上がらんと撓めた身を伸ばし――

(´<_`#)「――そうくると思ったよ」

――シューの真上には、拳を大きく振りかぶった弟者。
垂直に飛び上がろうとしたシューに逃げ場はなく、弟者の拳は既に加速している。

( ∩   )lw´- _-ノvつ」「 私もそう来ると思ったんだよNE

が、振り下ろされた拳は軌道をずらされ、シューの横を抜けた。
弟者が鉤棍で受け流されたと気付いた時既に、

(´<_`;)「ッ!」

よいっしょー」「⊂(´lwwww|つ(      )`;)
                      彡
ロマネスクは彼の視界を完全に覆い、唇を奪いつつその身体を捕らえる。
中年は弟者の身体を捕らえたまま一転、二転、三転と勢いをつけ、ミルナへと向け――

(     )  )⊂lw´- _-ノv∩」「∑ うわっとぉ

――放たれる寸前、金属音にも似た響きと共に回転は静止。
遠心力の枷より解き放たれた弟者の身体は、緩く弧を描き、重力に引かれる。
しかし、シューは逃した獲物を一瞥もする事無く、ただ、新たなる獲物の到来に喜悦の感情を露とする。

(      )⊂lw´- _-ノv∩」「ハッハッハッ、甘いなぁ。実に甘い

(#´_ゝ`) 「…………糞が」

シューの鉤棍が押し留めるは兄者の右足。
死角を狙った渾身の一撃が受け止められたが故か、兄者の顔が苦虫を噛み潰したかのように歪む。

だが、

( ´,_ゝ`) 「…………なーんてな」

直後、その表情は厭らしい笑みに変わる。

(#´_ゝ`) 「今だミルナ!」

(      )⊂lw´- _-ノv ∩」「 !?

シューは兄者の掛け声と視線に釣られ、思わず下を向き――

( ゚д゚ ) 「馬鹿が見るってな」

(      )⊂lw´- _-ノv ∩」「おいおい……素直な私を謀るとか酷くね?

「先ほどの返礼……利子付きですが、受け取っていただけますよね?」

――声が聞こえたのは彼女の死角。
真上より全体重を込めて振り下ろされたのは、両の掌を組み合わせたハンマーナックル。

(#’e’)「おぉぉぉっらぁぁぁぁぁ!」

(      )
   ∩
     lw´- _-ノvつ」「 っと……こりゃ少々アレだなぁ 

とっさに掲げられたロマネスクが其れを受け止め、みしり、と嫌な音を立てる。
衝撃が脇腹に響いたか、ジョーンズの額に脂汗が浮かぶ。
が、それでも構わず彼は両腕に更に力を込めて、ジョーンズは振り抜いた。

    (     )
lw;ノ´- _-ノvノ」「 うわっちゃっちゃっちゃ!

(;’e’)「ッ……少々無理をしすぎましたか……しかし」

敢えて言葉を止め、脇腹を押さえたジョーンズはニヤリ、と笑う。
それもまた当然であろう。笑わずにはいられないだろう。
視線の先には、大きく体勢を崩したシュー。そして、

(#´_ゝ`)「母者直伝――」

全身を限界まで捻った上で、股関節の限界まで踵を振り上げた兄者の姿。

(#´_ゝ`) 「――超踵!」

叫びと共に振り下ろされたのは、如何なる防御も意味を成さぬであろう、苛烈なる一撃。
踵はシューの後頭部を捕らえ、落下速度を爆発的に加速させる。

更には、

(´<_`#)「おらっしゃぁぁぁっ!」

(#゚д゚ )「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

弟者が地を駆け、ミルナがそれに併走する。
ようやく訪れた好機。ここで決着を付けなければ――

(; ゚д゚(( 「んなっ!?」

 ))´<_`;)「んごっ!?」

――何かが、二人の顔面を捉えた。
その眼前には何も存在してはいなかった筈なのに、彼らはその頬に感じた。
幾度も感じた事のある、肉と骨によって形成された拳の感触を。

同時に、空気が揺らぐ。
揺らぎは徐々に強まり、やがて目を開けていられぬ程の暴風へと変わる。

(#<_`;)「……ぐっ」

風の発生源は、最初に対峙していた場所の丁度中間点。
奇しくもそこはシューの落下地点。
その場所には何も存在して――

(;’e’)「……これは、奴の技か?」

(;´_ゝ`)「いや、それにしてはあまりにも無秩序な気が……」

(;゚д#)「……あれは、亀裂?」

――そこに存在したのは、ミルナの言葉のとおり、極小の亀裂だった。
何も無い筈の空間に浮かんだ亀裂は、風が強まると共に拡がっていく。
亀裂は、やがて彼らの視界全てを覆い尽くし――彼らの目に映る世界は、まるでパズルのピースのように砕け散った。


訪れたのは虚無。


透明とも違う、何も色の無い世界。


それは一瞬。


虚無もまた、次の瞬間には色を持ち、輪郭を手に入れる。


そして、再構築されゆく世界が完成された瞬間――


――大鐘の響きを高音、且つ鋭くしたような音が轟く。
同時に、雪の軌道を乱し、地面を削り巻き上げ、場に在る者の輪郭を朧にする嵐。
中央に存在するは、二つの影。

そこに立つは、

( ФωФ)「済まぬなシュー。大丈夫だとは思ってもつい、な」

」⊂lw´- _-ノvつ「 この嫁コンが…………今回は許す

シューを両の腕に抱きかかえたロマネスク。
そして、

(’e’)「ああ――すっかり忘れていたよ」

( ´_ゝ`)「何やってたか良く分からんが」

(´<_` )「まぁ、あれだ何かやってきたんだろ?」

( ゚д゚ ) 「良く分からんがとにかく良し!」


(メ'A')「ハァ……ハァ……皆さん、お待たせしましたね」
/つ』と

元から酷いのに、もっと酷い事になってしまったドクオ。
纏った紳士服は見る影もないほどにボロボロになり、破れ目より覗く素肌には幾つもの青痣。

(メ'A')「全く……若輩相手に使うには、過ぎたものではありませんか?」

ドクオは溜息を吐きながら、左手を前方へと突き出す。
その手に握られているのは、怪しき輝きを放つ“』”

( ФωФ)「ふふっ、嫁の術に気付き、見事打ち破った者が何を言うか」

(メ'A')「運良く、ですがね……私の剥けたての逸物が、僅かな違和に気付かせてくれました」

言葉と共に、突き出された左手に力が込められる。
どれほどの力が込められたのだろうか、“』”は砕け散り、破片は塵芥と化した。

('A')「もう、まやかしは通用しませんよ」

( ФωФ)「ふふ……では、第二ラウンドと参ろうか――――


~~~~


――しゅるり、しゅるり、と音を立てて繭はほどけ、封印は解かれた。
抑圧され、鈍化した精神と記憶は今この時、解き放たれた。

从  ハ从「……ふも、ふ」

ハインリッヒは暫くの沈黙の後、のそり、と起き上がる。
天井へと顔を向けた彼女の頬を、一条の涙が伝う。

从。-ハ从「……ふも」

元より、忘れられる筈が無かった。
辛いからと、逃げられる筈が無かったのだ。
彼女らとの記憶は、心身にこんなにも強く刻まれているというのに。

思い出せた。だからこそ、心は砕けず、魂は今尚その胸にある。
だからこそ、想いは胸の内で白色の炎と化している。

从 ゚ハ从「ふぅ……もっふ」

嗚呼糞痛え。そう呟きながら首を鳴らす彼女の目から弱さは消えていた。
彼女は全てを思い出した。黒歴史を含む、心の奥底に仕舞っていた全てを。

故に、理解した。
自身が何をすべき――いや、何をしたいのかを。

从 ゚ハ从「……」

ハインリッヒが歩みを進める度に、髭の一本一本が縒り合わさり、それは糸となる。
縒り合わされた糸は編み込まれ、更には硬質化し――彼女の闘争心を具現化した。

ィ'ト―-イ、
从`゚益从

頭部を覆うは、黒狼を思わせる、鼻先から顎に当たる部分が前へと突き出た歪な流線型の兜。
全身もまた、流線型主体でありながら、獣の体毛の流れを髣髴とさせる凹凸のある形状の鎧に覆われている。

――少し前の、トイレに駆け込む前のハインリッヒには、このような精妙なる芸当は不可能であっただろう。
痛みを過剰に恐れ、選択を周囲に任せ、己の心と向き合う事すら出来ぬ者に、理を外れた力を完璧に扱える筈がなかった。

が、今は違う。
彼女は心身共に覚醒した。自分という概念を完全に取り戻した。
長い月日を経て、ようやく完全復活――――否、自身の作り出した繭の内にて行われた、力に対する身体の適応化。
それにより、全盛期以上の力を手に入れたのだ。

 長い月日を経たが故に、彼女は狂おしいほどに渇望していた。
空腹の人間が食物を求めるように、オナ禁一ヶ月の人間がオカズを求めるように。

 彼女は、渇望していた。
どこまでも下らない意地の張り合いを。
お互いの心と体を砕き合うような痛みの応酬を。

ィ'ト―-イ、
从`゚益从 「イィ……トォォォォォイ!」

 咆哮を上げるハインリッヒの肩より毛束が伸び、編みこまれ、一枚の布を形作る。
生み出されたのは、どこまでも厨二病的な、黒曜の如き輝きを放つマント。
それは、彼女の気迫に呼応するようにはためき、鳥の羽ばたきに似た音を立てた。

とぅーびーこんてぬー

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コテ酉無しです。
でも一話の最後見たらすぐ分かる仕様です。

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